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2015年に、衛生環境の未整備が世界経済に与えた経済損失は2,229億ドル(約22兆円、1ドル=100円で換算)にのぼり、2010年の1,825億ドルからわずか5年で400億ドル以上もの増加となりました。この数字は、不衛生な環境の影響を受けている国々で平均した場合、国内総生産(GDP)の0.9%に相当し、5年前の1%からわずかに減少しています。
地域別に経済的コストの総額を見ると、衛生環境の悪さが最も大きな経済的負担になっているのはアジア太平洋地域であり、そのコストは金額にして1,723億ドル、全体の4分の3以上を占めています。
ラテンアメリカ・カリブ地域は222億ドル、アフリカは193億ドルと、それぞれ世界全体のコストの約10%を占めています。そして、残る90億ドルを東ヨーロッパ、旧ソビエト連邦、中東地域が占めています。
世界ランキング トップ10(コスト総額) | |
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国 | 経済コスト (単位:US 百万ドル) |
インド | 106,700 |
中国 | 35,900 |
ブラジル | 10,600 |
パキスタン | 7,900 |
インドネシア | 7,400 |
メキシコ | 5,800 |
バングラデシュ | 5,300 |
ナイジェリア | 3,800 |
トルコ | 2,500 |
タイ | 2,300 |
世界ランキング トップ10(GDPに占める割合) | |
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国 | 経済コスト (GDP比率) |
インド | 5.2% |
ラオス | 3.2% |
パキスタン | 3.0% |
ニジェール | 2.7% |
スーダン | 2.6% |
バングラデシュ | 2.4% |
エリトリア | 2.3% |
ハイチ | 1.7% |
セネガル | 1.7% |
中央アフリカ | 1.7% |
地域別のGDPに対する損失の割合については、アジア太平洋地域が最も大きく、GDPの1.1%となっています。アフリカではGDPの0.9%、ラテンアメリカ・カリブ地域ではGDPの0.6%、東ヨーロッパ、旧ソビエト連邦、中東地域ではGDPの0.4%が、不衛生な環境のために失われています。
国別の総コストを見るとインドが圧倒的に高く、2015年の経済損失1,067億ドルは世界全体の損失のほぼ半分を占め、インドのGDPの5.2%に相当します。損失の極めて大きいインドは経済的な総損失額とGDPに対する割合の両方で世界第1位となっていますが、損失額と対GDP割合による国の順位は、各国の相対的な経済規模によって大きく異なります。
世界の経済損失
の4分の3以上が
アジア太平洋
地域に集中アジア太平洋地域では人口が非常に多いことから、結果として経済損失額も増加しています。
アジア太平洋地域に次いで、ラテンアメリカとアフリカが続き、それぞれ世界全体の経済損失の約10%を占めます。
一人当たりのGDPと経済損失がGDPに占める割合
調査結果によると、所得が増えると経済損失がGDPに占める割合は減少する傾向にありますが、例外もあります。
インドの場合は、一人当たりのGDPに比較して、GDPに占める経済損失の割合が非常に高く、調査対象国の中でも突出しています。