LIXILは、世界中の誰もが描く住まいの夢を実現するために、日々の暮らしの課題を解決する先進的なトイレ、お風呂、キッチンなどの水まわり製品と窓、ドア、インテリア、エクステリアなどの建材製品を開発、提供しています。
2025年3月期実績
LIXILは、従業員一人ひとりが自身の能力を最大限に発揮し、会社に誇りを持って働ける環境を提供することが、企業の持続的な成長に不可欠であると考えています。そして従業員のウェルビーイングを重視し、様々な施策を通じて実現する、働きやすく働きがいのある職場環境が、従業員の成長志向の醸成やダイバーシティ&インクルージョン推進につながります。
また、「従業員エクスペリエンス(従業員が組織の中で体験するあらゆる価値経験)」の向上を重要な人事課題と捉え、従業員エンゲージメントの強化にも努めています。その一環として従業員の声に耳を傾け、積極的に取り入れる「Employee Listening」戦略を推進し、組織全体の活性化につなげています。
LIXILのPurpose(存在意義)は、持続的な成長に向けてよりアジャイルで起業家精神にあふれ、従業員一人ひとりがいきいきと誇りを持って業務に取り組むための指針です。Purposeの実現に向けて、当社では業務内容や拠点に関わらず、従業員が日々の業務の中でどのように考え、行動すべきかを示す「LIXIL Behaviors(3つの行動)」を掲げており、人事評価の項目にも設定されています。
LIXIL Behaviorsの推進に向けて、当社ではワークショップを実施したり、オフィスや工場などでポスターやステッカーを掲示したりするほか、会議などの場でLIXIL Behaviorsを積極的に会話の中に取り入れることで日々の意識付けを行っています。
こうした活動を通じて、従業員は自身が考えるLIXIL Behaviorsを具体的なエピソードを交えながら共有し、身近に取り入れる方法を学び、実践しています。
LIXILのPurpose(存在意義)とBehaviors(3つの行動)
LIXILでは、従業員一人ひとりが心身の健康を向上させ、豊かで充実した生活を送れる環境づくりを目指しています。従業員のウェルビーイング実現に向けて働きやすい・働きがいのある職場環境を醸成するために、次のような取り組みを実施しています。
全社的な取り組み
国内での取り組み
上記のほか、従業員のウェルビーイングをサポートするためカフェテリアプランの導入や安心・安全に働くための諸制度の改定、退職金制度をはじめとする資産形成に関する制度など、国内従業員を対象とする制度の見直しを行いました。
| 制度・施策 | 対象 | 内容 |
|---|---|---|
| カフェテリアプランの導入 | (株)LIXILおよび子会社原籍従業員 (契約社員含む) |
旅行や自己啓発、人間ドックなど様々な福利厚生メニューに利用できるポイント制度を導入。 |
| 遺族補償制度の拡充 | (株)LIXILおよび子会社原籍正社員 | 遺族補償関連制度を再編し、従業員本人が死亡した場合の遺族補償を拡充。 |
| GLTD(団体長期障害所得補償保険)の導入 | ケガや病気の際の所得補償関連制度を再編し、GLTD(団体長期障害所得補償保険)を導入。 | |
| 退職金制度の改定 | 基本給に連動する形で役割・貢献度が反映されたわかりやすい制度とし、企業型確定拠出年金(DC)100%に改定。 |
2025年3月期は、従業員が自身の健康状態を把握し、主体的に健康増進に取り組むことを支援するため、LIXIL独自の健康指標「カラダシル」を導入しました。「カラダシル」には、健やかなこころとからだを保つために重要な8つの要素が含まれ、従業員がこれらを意識して生活することで健康増進につなげることができる内容となっています。
「カラダシル」に含まれる8つの要素
こうした取り組みに対して管理職の理解・支援を呼びかけるほか、従業員一人ひとりの意識向上に向けて、情報プラットフォーム「ウェルビーイング 情報ライブラリー」を開設しています。ここでは、ウェルビーイングに関する全社的な取り組みや各地域の活動を紹介するほか、相談窓口や推奨される働き方などに関する情報提供も行っています。
さらに、毎月14日を「ウェルビーイングデー」に設定し、ウェルビーイングについてオープンに話し合える環境づくりに向けた様々な情報を発信しています。
グローバルに展開する「ウェルビーイング 情報ライブラリー」
ウェルビーイングの実現に向けた各施策の策定・展開において核となるのが、従業員の声です。LIXILでは、従業員意識調査「LIXIL Voice」の結果を分析し、施策への反映を進めています。また、同調査ではウェルビーイングを重要な結果指標の一つに設定しており、これらの施策に関する効果測定を行っています。
LIXILは、従業員のエンゲージメントを高めることを目的に「従業員エクスペリエンス」に注力した取り組みを実施しています。従業員が会社を好きになる・働きがいを感じるプロセスや経験を把握するために、その声に耳を傾ける「Employee Listening」戦略を展開しており、その一環として全従業員※1を対象とした意識調査「LIXIL Voice」を年1回実施しています。
同調査では、当社が優れた従業員エクスペリエンスを提供しているかを測る結果指標※2として以下を設定しています。

従業員意識調査における従業員エクスペリエンスに関する結果指標
※1 対象範囲:(株)LIXILおよび子会社の直接雇用の従業員(パート社員を含む)
※2 エンゲージメント、インクルージョン、ウェルビーイングのスコアは、これらに関連する設問における肯定的回答率(5段階評価のうち4と5を選んだ人の割合)にて測定。ウェルビーイングについては、以下3つの設問で構成し測定を行っています
1)私は、前向きに自分の仕事に取り組んでいる
2)私は仕事において、信頼できる人間関係をもっている
3)私は、仕事で活力を得ている
過去4年間の回答率およびエンゲージメントの調査結果は以下をご覧ください。
インクルージョンとウェルビーイングに関する施策は以下をご覧ください。
インクルージョンの文化の定着に向けた取り組み >
従業員一人ひとりのウェルビーイングの実現に向けて >
国内では、LIXIL Voiceに加えて、各部門の結果に基づいたアクションの策定・実行を行っています。
各部門でアクションプランの作成・提出
背景:2023年6月に実施した調査の後に、全社的な深掘調査を実施しアクションプランを作成。2024年6月に実施した調査では、全社のエンゲージメントスコアが向上傾向にあることを確認。これらを踏まえて、2025年3月期は各部門の結果に基づいたアクションを計画することに重みを置くこととした。
アクション:全部門で計23件のアクションプランを作成完了。キャリアやコミュニケーションに関する内容が多く、部門によってはリーダーと話す機会や従業員同士が交流する場を設けるプランが多く作成された。
事例①:「Connect with Kinya」
背景:2024年6月の調査では、経営・戦略の理解を高めることと経営層とのコミュニケーションを増やす必要性が明確となったため、従業員とCEO瀬戸欣哉が交流する場を設けた。
アクション:2024年12月に初回のセッション「Connect with Kinya」を開催。対面・オンラインのハイブリッド形式で900人以上が参加。CEOからのメッセージとQ&Aセッションに対し、従業員が数多くの質問を投げかけた。さらに2025年3月にはドイツでヨーロッパの従業員向けに同様のイベントを開催し、およそ300人の従業員が参加。
効果:誰でも気軽に参加できるイベントを通じ、CEO本人から直接メッセージを聞き、Q&Aを通して社長と従業員が対話する場を提供することができた。ハイブリッド形式に通訳を加えて日・英で提供することで世界中の従業員と経営層の距離感を縮めることができた。
「Connect with Kinya」の様子
事例②:LIXIL Water Technology Japan (LWTJ)
背景:2024年6月に実施した調査ではLWTJ全体のエンゲージメントスコアが向上したものの、多くの組織が「経営方針・戦略・施策の浸透と、各従業員の自身の仕事や目標との関係性の理解促進」を主旨としたアクションプランを挙げていた。
アクション:LWTJの経営と従業員が同じ目標や課題意識、共通の現状認識を持つことの一助となる社内イントラネットを開設。情報を記載するほか、各リーダーがチームミーティングなどで戦略や方針について説明できる資料も提供した。
効果:LWTJの目標や課題について、LWTJ全員が同じ目線を持つことができるようになっている。また、経営方針・業績・活動が集約され、かつわかりやすく示されたことで、理解の促進にもつながった。
LIXILは、暮らしの未来を叶えるため従業員がともに力を合わせて挑戦し、そこからやりがいや達成感が得られることが、イノベーションの創出やさらなる成長につながると考えています。こうした考え方に基づき、当社では世界各地で働く従業員が互いに日々の努力や成果を認め、また功績を称え合う全社共通の表彰制度「LIXIL AWARDS※」を導入しています。
経営戦略との結びつきを高めるため、制度の評価基準には「LIXIL Playbook」で設定した優先課題を採用しています。毎回、各部門から選抜された取り組みの中から、優先課題に対して特に貢献度の高い取り組みが執行役および部門長によって選ばれ、表彰されます。また、受賞者には報奨金が授与されます。結果発表後には、従業員投票によって選ばれた受賞チームへ社長によるインタビューを実施し、より詳細な活動内容を全社に共有するなど、インタラクティブで従業員のモチベーション向上にもつながる仕組みを導入しています。
2025年6月に開催されたLIXIL AWARDSでは850件以上のプロジェクトが表彰され、約4,800人が受賞しました。受賞したプロジェクトには、「LIXIL Playbook」の基盤であるインパクト戦略の推進や目標達成に貢献する取り組みが含まれます。事業活動・事業成長を通じた企業価値の向上と、社会や環境課題の解決におけるインパクト(良い影響)創出との両立を目指し、原動力となる全従業員が同じ方向に向かって力を結集できる職場環境づくりを制度面から支えています。
※全従業員(パート社員を含む)を対象とした表彰制度。国内では、2018年3月期より毎年表彰を実施しており、LIXIL Internationalにおいても2021年3月期に同制度を導入
国内では、年齢、性別などに関係なく、誰もが能力を最大限に発揮できる環境を整え、従業員の成長を後押しできるよう「チャレンジを加速させる資格・等級制度」「人と組織の成長へつながる人事評価制度」「成果に応じた報酬制度」を重点項目とする人事制度改革を2022年4月より進めています。
| 制度・施策 | 対象 | 内容 |
|---|---|---|
| 等級・報酬制度の改定 | (株)LIXILおよび子会社原籍正社員 (管理職) |
|
| 勤務地限定社員制度の廃止 | 将来的な転勤の可能性や勤務する地域による賃金差をなくし、個々人の職務・職責による実力主義の報酬体系を目指す。 | |
| 住宅手当の廃止 | (株)LIXILおよび子会社原籍正社員 (管理職・一般) |
属人的な要素を排し、職務内容や業績貢献に応じた報酬の実現を目指す。 |
| 子ども手当の拡充 | (株)LIXILおよび子会社原籍正社員 (一般) |
D&I推進の取り組みの一環として、子育て世代の支援を拡充する。 |
LIXILは、労使双方が信頼関係を築き、良好な職場づくりに努めることが、会社の業績向上とやりがい・働きがいのある職場の実現につながると考えています。国内では、株式会社LIXIL原籍の正社員を対象としたユニオンショップ制による労働組合を結成しており、組合加入率は100%(2025年3月末時点)となっています。
労使基本協定には、安全衛生や作業環境に関する事項が含まれており、労使協議においては、経営状況や労働条件、安全衛生などに関する諸課題について、定期的に情報共有や議論の場を持ち、課題解決にあたっています。
また、国内で推進している人事制度改革についても、労使双方より代表者を選出し専門委員会を設置した上で協議を重ねるなど、労使一体となり取り組みを進めています。協議を経て労働条件や各種制度が導入・改定された際には、社内イントラネットや人事部門を通じて浸透を図るほか、労働組合も独自にポイントをまとめた「ユニオンガイド」を全組合員に配布するなど、労使が協力して周知活動を行っています。
国内工場では、地域社会の活性化に向けて、操業地域の高等専門学校、高等学校から採用を行っています。従業員が自身の仕事を通じて地域社会に貢献することで、やりがいや誇りを持ち、それがモチベーションの向上にもつながっています。また、同じ地域で長く働き続けることで、自社の製造技術・ノウハウ・スキルなどを次世代に継承することにも寄与しています。近年では、これらの取り組みを営業職や専門職などにも拡大し、地域人材の確保や育成に積極的に取り組んでいます。
