LIXILは、世界中の誰もが描く住まいの夢を実現するために、日々の暮らしの課題を解決する先進的なトイレ、お風呂、キッチンなどの水まわり製品と窓、ドア、インテリア、エクステリアなどの建材製品を開発、提供しています。
2026年3月期実績
LIXILは、従業員が価値創造の原動力であるという認識のもと、長期的な視点で人材育成に取り組んでいます。将来のビジネスニーズを見据え、グローバル全体で人材を可視化し、後継者の計画的な発掘・育成に注力しています。
私たちは、すべての従業員がやりがいを持って、活躍できる職場の実現を目指し、「会社が導く戦略的なキャリア」と「従業員が切り拓く自発的なキャリア」の2つの側面からキャリア開発支援に取り組んでいます。管理職育成プログラム「GROW」や、業務効率や業務の在り方そのものを抜本的に変えるAI活用やアプリ開発を含むデジタルスキル研修など、役割や個々のニーズに合わせた多様な学習機会を提供し、変化に迅速に対応できる人材を育成しています。
また、D&I戦略の主要テーマであるジェンダー不均衡の是正に向けて「2030年3月期までに取締役および執行役の50%、全世界の管理職の30%を女性とする」という目標を掲げています。これに伴い、将来の役員や管理職としてのポテンシャルを持つ女性従業員の育成にも積極的に取り組んでいます。
LIXILでは組織全体で有望な人材を発掘し育成するために、各事業部門の部門長と執行役がPeople & Organizational Development(POD:人材組織レビュー)を実施し、主要なポジションの後継者、ハイポテンシャル人材、女性人材について議論しています。

若手人材の登用を積極的に進めていくため、主要部門において候補者リストの対象範囲を広げ、有望な人材の発掘に努めています。これにより、緊急時を含むあらゆる状況下での事業の継続性を確保し、LIXILの将来に向けて戦略的にハイポテンシャル人材や後継者を選定する体制を構築しています。選定された人材に対しては、個々の強みや課題に応じた育成計画を策定した上で、難易度の高い課題や業務(ストレッチアサインメント)や異動機会、リーダーシップ研修などを提供し、その成長を促進しています。
女性人材の育成に向けては、「女性タレントアウトリーチプログラム」を通じて、タレントの認知度向上、エンゲージメント促進、ネットワーク構築を通じたパイプラインの強化を進めています。
2025年3月期から、各種リーダーシップ研修や女性タレントアウトリーチプログラムの参加者は、原則PODで特定されたハイポテンシャル人材、または後継者から選抜しています。これによりPODプロセスと選抜型研修の関係性を強化し、より戦略的に人材育成に取り組む体制を整えています。なお、特定された人材の育成を促進するため、POD実施後には各自の育成計画を作成・更新し、年間をとおして育成計画の目標に対する進捗を確認するプロセスを各部門で強化しています。これにより、エンゲージメントや勤続意欲の向上効果も期待されます。
こうした計画的かつ積極的なアクションにより、重要なポジションにおける人材プールの構築や後継者数の増加などの成果が表れています。2026年3月期においては、26部門のセッションを経て、全社で861人の後継者と196人のハイポテンシャル人材(うち39%が女性、前年より8%増)を特定しました。
LIXILでは、新入社員から経営陣までのすべての従業員が学び、成長し、学習文化を育むことを目的とした教育体系を構築しています。

部門長やリージョン責任者などを対象に、経営層の後継者育成を目的としたプログラムを展開しています。
LIXILは、米国ダートマス大学タック・スクール・オブ・ビジネスとのパートナーシップのもと、新たな価値を創出し、実行できる戦略思考を備えた次世代の経営リーダーを育成するGLPを実施しています。
本プログラムは、ビジネスの変革を牽引する「ビジネス課題解決アクセラレーター(自ら事業成長を加速させるリーダー)」の育成に重点を置いています。経営層が選定した最重要課題に取り組むLIXIL独自のアクションラーニングを中核とし、不確実な環境で勝ち抜くための実践力の強化を目指しています。その背景には、AIやリアルタイムデータを活用する「フュージョン・ストラテジー」や、イノベーション管理手法「3 Box Solution」を組織の共通言語として浸透させるという、経営層の強い意志が込められています。
参加者は、海外を含む世界各地から選抜された、年齢、性別、国籍など多様なバックグラウンドを持つリーダーです。約6ヵ月にわたり、最先端の理論を実務に応用しながら、高度なリーダーシップ・マインドセットを習得します。また、ダートマス大学での講義や演習を通じて、現地の投資家や大手企業による戦略の実現性評価を受けるなど、世界水準の実践プロセスを導入しています。
こうした取り組みにより、多様なリーダーが組織の壁を越えて連携し、実行力を高めることで、変革を恐れない企業文化を醸成し、持続的な成長と長期的な企業価値向上につなげています。
将来の経営幹部候補および若手社員のリーダーシップの育成を目的として、次のようなプログラムを実施しています。
あらゆる世代の多様な人材が、重要なポジションを担える組織を実現するため、LIXILは実力主義のもと、次世代のリーダーとなりうる有望な人材を発掘・育成する「NEXT」プログラムを日本国内の従業員を対象に実施しています。
本プログラムは、各部門の部門長が参画するPODと密接に連携しており、PODで選抜された有望な人材が参加します。その設計は、人材育成において最も効果的とされる「経験」が7割、「他者からの学び」が2割、「研修」が1割という考え方に基づいています。最大の特長は、実在する経営課題に真正面から対峙するアクションラーニングです。参加者は部門を超えたメンバーで構成されるチームに分かれ、経営戦略立案のプロセスを実践的に経験し、その成果をCEOをはじめとする経営層へ直接提言します。
さらに、リーダーとして活躍する先輩社員とのパネルディスカッションを通じて、これまでよりも高い視座を得る機会を提供するなど、多角的な支援により参加者の能力開発と成長を促しています。プログラムを通じて自身の強みや課題を明確にした参加者は、その後、リーダーシップをさらに高めるためのストレッチアサインメントに臨み、実践経験を積みます。現場での実務を通じた成果創出とさらなる成長を促すことで、次世代のリーダーシップ・パイプラインの強化につなげています。
| NEXT Tier1 | NEXT Tier2 | |
|---|---|---|
| 対象 | 次世代の経営幹部候補として各部門が推薦した者 | 次世代の管理職候補として各部門が推薦した者 |
| 育成目標 | 3年を目処に、事業部長・統括部長・部長などに昇格 | 3年を目処に、グループリーダーなどの管理職に昇格 |
| 参加人数※1 | 26人 | 49人 |
| プログラム構成 |
「70-20-10」モデル※2に基づいた構成としています。 経験:7割 他者からの学び:2割 研修:1割 |
|
※1 プログラム修了者を除く
※2 人材育成での効果的な割合は「経験」7割、「他者からの学び」2割、「研修」1割だとする考え方
ALAPは、Asiaの持続的成長を牽引する次世代リーダーを育成する中核プログラムです。次世代の経営リーダーを育成する選抜型プログラム「NEXT」をベースに、アジア市場の事業環境に即して設計されています。LIXILの根幹となる経営哲学や共通言語を継承しながら、多様な国籍・文化が共存するアジア市場に対応するために、より実践的かつ地域特性を踏まえたカリキュラムを導入しています。参加者は、後継者候補リストの中から選抜されるとともに、管理職育成プログラム「GROW」の修了者が対象となります。LIXILの価値観と共通の経営言語を体得した人材を対象とすることで、より効果的な人材育成を行っています。
全社的な変革を担う「GLP」や、日本国内の次世代の経営リーダーを育成する「NEXT」に対し、ALAPはAsia各地域を牽引する次世代リーダーの育成および「地域戦略の即時実行」に重点を置いています。プログラムでは実際の経営課題に取り組み、優れた提案は直ちに現場の事業へと反映させるなど、人的資本への投資を事業成長へ直結させています。約10ヵ月のプロセスでは、「70-20-10」モデルに基づき、実務経験、他者からの学び(経営層による指導)、研修(集中ワークショップ)を組み合わせた育成を実施しています。これにより、組織を俯瞰する視点と部門横断的な連携力の向上を図り、アジア特有のスピード感と多様性の中でリーダーシップを最大限に発揮できる、強固なパイプラインを構築しています。
LIXILは、持続的な成長を支える土台として、グローバル共通の管理職育成プログラム「GROW:Great Managers at LIXIL」を展開し、組織能力を強化しています。管理職の自己成長とスキル開発の促進、問題解決能力・意思決定能力・レジリエンス(回復力)の向上、仕事満足度と信頼関係の向上、ワークライフバランスの改善、そしてネットワークの拡大を図ります。
本プログラムは、単発の研修ではなく、LIXILのリーダーに求められるスキルの習得と行動変容を促す中長期的な取り組みです。専用ポータルサイトでの学習資源の一元化や、Googleカレンダーと連携した学習の習慣化を支援しています。
グローバル展開と地域別の深化
2024年3月期に日本で導入した後、2025年3月期より海外へ拡大し、2026年3月期にはグローバル全体で約6,000人(日本約4,000人、海外約2,000人)の管理職を対象に実施しています。また、各地域においては自主的なフォローアップ施策を展開しており、Americasでのベストプラクティス共有、ヨーロッパおよび日本での対面ワークショップ、AsiaでのLearning Friday Sessionsなど、地域の特性に応じた取り組みを通じて成長マインドセットの定着を図っています。
テクノロジーの活用
学びを現場において効果的に実践するため、LIXILが独自に開発した「AIコーチ」を導入しています。「AIコーチ」は、LIXIL BehaviorsやD&Iガイドブックなど、LIXILの経営哲学や共通言語を学習しており、一人ひとりの管理職に対してリアルタイムで実践的なコーチングや助言を提供しています。
成果とインパクト
すべてのスキルの学習後に満足度調査を実施し、プログラムの効果測定を行っています。日本では、約83%の管理職が「チームの成長や活性化に寄与している」と回答しました。また、「部下との対話の質の向上」や「論理的問題解決能力の向上」といった具体的な行動変容も確認されており、組織全体のレジリエンスおよびエンゲージメントの向上につながっています。
インクルーシブな組織づくりにおいて重要な役割を担う管理職に対して、D&Iへの理解と実践を深めるプログラムを提供しています。
新入社員やキャリア採用社員のオンボーディング研修、エンゲージメントプログラム、英語研修などを通じて、従業員の能力開発に取り組んでいます。
デジタル教育プログラム「デジラク」では、デジタル技術を活かして自らビジネス変革を実践できる人材の育成を目的とし、デジタル部門が事業ニーズを考慮し開発した研修メニューを従業員に提供しています。GeminiやNotebookLMをはじめとする生成AIのワークショップを開催し、日々の業務における実践的な活用を推進しています。従業員が生産性向上や業務改革に役立つデジタル技術や知識を習得し、働き方に取り入れることは、従業員エクスペリエンスの向上にもつながります。
また、問題解決やヒアリングなどの実践講座に加え、実務で即座に活用できる戦略的思考やビジネスフレームワークを短時間で学べる講座も展開しています。2026年3月期は1,240人が受講し、業務活用率は82%を記録しました。アプリ開発の実践研修においても、参加者の53%が「以前よりビジネススキルを活用するようになった」と回答するなど、デジタルスキルの習得とビジネススキルの実践による相乗効果で、着実な業務効率化につなげています。
IT専門知識がない従業員でもデジタル技術を活用した業務変革を進め、組織の機動性を高められるよう様々な取り組みを行っています。その一環として、従業員が独自の業務アプリを迅速に開発・運用できるように、ノーコード開発ツールの使用を推奨しています。社内では、ノーコード開発ツールに関する教育資料・活用事例の提供や相談会を実施するとともに、段階的な資格制度を構築することで、学びたいと思う人がいつでも学べる環境を実現しています。 2021年に社内でノーコード開発ツールが公開されて以来、5,074件の業務アプリが開発されました。開発者数は2026年3月時点で12,227人に達しています。一人ひとりが自らの業務を見直し、そのアイディアを活かして業務プロセスを改善することで、LIXILのデジタルトランスフォーメーションを推進しています。
| 開発されたアプリ数 | 5,074件 |
|---|---|
| 開発者数 | 12,227人(利用対象者数のうち39.1%) |
| 資格保有者数 | ゴールド: 29人、シルバー: 258人、ブロンズ: 1,035人 |
※対象範囲:(株)LIXILおよび子会社
※ゴールド資格は2024年8月に新設
LIXILにおけるセキュリティ教育は、サイバー攻撃が巧妙化する中、組織を守る最後の砦はシステムではなく「人」であるという方針のもと、優先度を上げて推進しています。2026年3月期は、具体的な脅威事例をまとめた教材を使い、模擬訓練を通じて習得するセキュリティ研修を実施しました。受講者からは「取るべき行動が明確になり、意識しやすかった」と高い評価を得ており、満足度は93%、業務活用率は90%を記録しました。
この結果、ランサムウェア攻撃への適切な対応に自信を持つ割合が87%から98%へ向上するなど、実践的なプログラムを通じて確実な意識改革と対応力の強化を実現しています。
全社共通のラーニングプラットフォームとして「Litmos(リトモス)」をグローバルに展開しています。直感的に使用できる優れた操作性によりユーザーおよびコンテンツ作成者の双方による積極的な利活用を目指しています。また、一人ひとりのスキルやニーズに応じて研修や教育プログラムを選べるよう、社内外の教育・研修の情報を一元化したイントラネットサイト「LIXIL Learning-Hub」を公開し、自発的に学びやすい環境を構築しています。
さらに、従業員の自律的なスキル・キャリア開発を支援するため、国内外の管理職と希望者を対象に「LinkedInラーニング」を導入しています。同プログラムでは、専門家による講座、ビデオ、ウェビナーなど17,000以上の豊富なコンテンツを7言語で提供しています。社内で作成した独自の教育コンテンツと組み合わせることで、質の高いコンテンツを効率的かつタイムリーに提供しています。
そのほか、部門別専門性教育に注力し、各部門のポータルサイトやLitmosを通じて従業員のスキル向上を促進しています。これらの取り組みにより、最新知識の習得と実務への応用が可能になり、組織の競争力を高めています。
従業員一人ひとりがやりがいを持って自律して働くことを目指し、全社で「My Career Journey」プロジェクトを展開しており、人事や各事業部門が主体となり様々なキャリア開発施策を講じています。
その一環として、各地域ではグローバル共通のフォーマットを用いながら、業務評価サイクルに沿ってIDP(個人能力開発計画)を作成し、その内容を上司と振り返る1on1ミーティングを定期的に実施しています。また、国内では、従業員が実現したいキャリアについて年に1回上司と話し合う「キャリア申告制度」や、「Job Posting(社内公募)制度※」を通じて、自身の希望に基づくキャリア形成にチャレンジできる仕組みを構築しています。

さらに、社外での副業を可能とする制度の運用や業務時間の20%を社内での副業に充てる制度の導入など、従業員が自らの能力をさらに伸ばし、多様な経験を積むことを推奨しています。
※ 対象範囲:(株)LIXIL国内および生産系子会社(国内)原籍の正社員
全社的な仕組みに加え、次世代を担う若手従業員の早期のキャリア自律を促すことを目的に、入社2年目の従業員を対象とした「フォローアップセッション」を実施しています。このセッションは、これまでの自身の活動を振り返り、自己認識を深める重要な機会と位置づけています。
2日間のプログラムでは、部署を超えた同期入社の同僚との対話を通じて、自らの業務を全社的な視点から客観的に捉え直すとともに、ワークショップを通じて自身の価値観を言語化します。セッション後には、策定した具体的なアクションプランを上司と共有し、1on1ミーティングなどのキャリア対話に活用することで、現場での成長とキャリア形成を連動させています。
2026年3月期は、参加者の100%がプログラムに満足し、96%が「同期から刺激やエネルギーを得られた」と回答しました。若手従業員が自身の業務が組織に与える影響を再確認し、自らのキャリアを主体的に考え続ける姿勢を育むことで、変化に強いレジリエントな組織づくりを推進しています。
今後は、キャリアの後半期を迎えるミドルシニア層に対する施策を進め、全世代における自律的なキャリア形成を強力に支援していきます。
LIXILは、2026年4月の人事制度改革を契機として、従業員一人ひとりの主体性を引き出す環境整備を今後さらに強化していきます。その中核を担うのが、上司と部下による「質の高い対話」です。現場の1on1が真の成長機会となるよう、対話の質・量の抜本的向上に向けた施策を実施しています。
人事制度改革により、上司と部下の間で行われる現場での対話は、これまで以上に、組織の成長を左右する重要なプロセスと位置づけられています。コミュニケーション活性化のための具体的な指針となる「1on1ガイドブック」を策定し、各現場での対話を強化しています。こうした取り組みを通じて、業務の進捗確認にとどまらない、従業員一人ひとりの内省と成長を促す対話文化を全社に定着させていきます。
LIXILでは、全従業員※1を対象として、その成長と成果に対して公正に報いることを目的に、人事評価を設計し、運用しています。
国内では、期初に設定した目標に対する達成度を反映する業績評価と「LIXIL Behaviors(3つの行動)」に基づく行動評価の2つを軸に評価制度を運用しています。会社業績を基盤としつつ、これらの評価を個人の給与や賞与に反映することで、一人ひとりの成果と努力に報い、持続的な成長を促します。また、従業員個人の業績目標達成や能力開発を支援するため、年間を通じて従業員とその上司が対話を重ねる1on1ミーティングを定期的に設定しています。
評価プロセスは、以下のとおりです。
1) 被評価者である従業員が評価期間のはじめに設定した目標に対して自己評価を実施
2) 直属の上司と評価面談を行った上で1次評価が決定
3) 複数の部署の管理職が集まる評価会議での議論を経て、個人業績評価が決定
評価者は目標に対する進捗を評価するだけではなく、面談を通じて被評価者とともに活動の振り返りを行い、今後の期待を共有することで、従業員の育成を図っています。
※1 パート社員を含む
※2 一部上級管理職の個人業績評価には一定の割合で組織目標の達成度が反映されます
当サイトの文中で使用される用語の定義は、次のとおりです。