人材育成

SHARE

x
in
人材育成ページイメージ

2024年3月期実績

人材組織レビューセッション
年間28
主要ポジション後継者人数
712
女性のハイポテンシャル人材
30.5%

考え方

LIXILは、従業員が価値創造の原動力であるという認識のもと、人材育成を重要課題の一つとして捉え、長期的な視点で取り組んでいます。将来のビジネスニーズを踏まえ、グローバル全体で人材を可視化し、後継者の育成に注力しています。

私たちは、すべての従業員がやりがいを持って柔軟に働き活躍できる職場の実現を目指し、「会社が導く戦略的なキャリア」と「従業員が切り拓く自発的なキャリア」の2つの側面からキャリア開発支援に取り組んでいます。

また、D&I戦略の主要テーマであるジェンダー不均衡の是正に向けて「2030年3月期までに取締役および執行役の50%、全世界の管理職の30%を女性とする」という目標を掲げています。これに伴い、将来の役員や管理職としてのポテンシャルを持つ女性従業員の育成にも積極的に取り組んでいます。

ハイポテンシャル人材の発掘・育成

LIXILでは組織全体で有望な人材を発掘し育成するために、各事業部門の部門長と執行役がPeople & Organizational Development(POD:人材組織レビュー)を実施し、主要なポジションの後継者、ハイポテンシャル人材、女性人材について議論しています。

2024年3月期においては、28回のセッションを経て、全社で712人の後継者と57人(全体187人のうち30.5%)の女性ハイポテンシャル人材を特定しました。これらの計画的かつ積極的なアクションにより、重要なポジションにおける人材プールの構築や後継者数の増加、全社における女性の昇格率の上昇などといった成果が表れています。

従業員イメージ画像

さらに、国内では、若手人材の登用を積極的に進めていくため、一部の事業部門においてリスト化の対象範囲を広げ、有望な人材の発掘に努めています。

これにより、緊急時を含むあらゆる状況下での事業の継続性を確保し、LIXILの将来に向けて戦略的にハイポテンシャル人材や後継者を選定する体制を構築しています。リスト化された人材には、個々の強みや課題に応じた育成計画を策定した上で、チャレンジングな実務アサインメントや異動機会、リーダーシップ研修などを提供し、その成長を促進しています。また、女性人材の育成に向けて、2024年3月期は「女性アウトリーチプログラム」を導入し、その一環として経営層とのラウンドテーブルを実施しました。

「女性アウトリーチプログラム」の詳細はこちら >

人材育成の全体像

LIXILでは、新卒者から経営陣までのすべての従業員が学び、成長し、学習文化を育むことを目的とした教育体系を構築しています。

経営層向け

経営層の育成を目的とした様々なプログラムを展開しています。

グローバル・リーダーシップ・プログラム

未来を創造する賢明で決断力のあるリーダーを育成するため、米国ダートマス大学タック・スクール・オブ・ビジネス(Tuckビジネススクール)と世界的に活躍する企業とのパートナーシップのもと、高いポテンシャルを持つリーダーに対して9ヵ月間のプログラムを実施しています。プログラムは3回にわたる各1週間の海外プログラム、プログラム間の自主学習、チーム単位のアクションラーニングで構成されています。グローバルで多様性に富むトップクラスの教授陣が講義を行い、参加者はグローバルとデジタル変革が入り混じる複雑な新時代に組織を導くための能力と考え方を培っています。

※チームで現実の問題に対処し、その解決策を立案・実施していく過程で生じる実際の行動とその振り返りを通じて、個人、そしてチームや組織の学習する力を養成する学習法

グローバルリーダー向け「AIによるビジネス変革」オンラインセッション

2024年3月期は、世界各国のリーダー485人が「AIによるビジネス変革」を目指し、Tuckビジネススクールのビジャイ・ゴビンダラジャン教授によるオンラインセッションを受講しました。同教授による新著「フュージョン・ストラテジー」をベースに、ビジネスのリアルタイムデータとAIの有効活用を学び、参加者はLIXILが目指す変革的な成長をリードするための新しい洞察と知識を得ました。さらに、参加者には書籍とAIコーチングツールを配布し、実戦での活用を推進しています。今後は、リーダーが集まるオフサイトミーティングや各部門でのワークショップを通した浸透を計画しています。

選抜型人材育成

グローバル規模で次世代を担う人材を育成していくため、次のようなプログラムを実施しています。

NEXTプログラム

あらゆる世代の多様な人材が、重要なポジションを担える組織を実現するため、LIXILは実力主義のもと、次世代のリーダーとなりうる有望な人材を発掘・育成する「NEXTプログラム」を実施しています。同プログラムでは、各人に対して育成責任者が作成した育成計画に沿って、選抜された従業員がチャレンジングな実務課題に取り組むことで人材育成の加速化を図っています。また、CEOや執行役とのラウンドテーブルを実施するなど、経営陣の強いコミットメントのもと推進し、プログラム参加者の積極的な昇格につなげています。

プログラム概要

NEXT Tier1 NEXT Tier2
対象 次世代の経営幹部候補として各部門が推薦した者 次世代の管理職候補として各部門が推薦した者
育成目標 3年を目処に、事業部長・統括部長・部長などに昇格 3年を目処に、グループリーダーなどの管理職に昇格
参加人数 53人 222人
プログラム構成

経験:7割
難易度の高い課題や業務(ストレッチアサインメント)、育成責任者との1on1

他者からの学び:2割
経営陣や管理職とのラウンドテーブルセッション、メンタリング

研修:1割
イノベーション研修・チームプレゼン、LinkedInラーニングを用いたスキル強化

※卒業生を除く

アジア リーダーシップ プログラム

2024年3月期は、Asia地域で新しい選抜型リーダーシッププログラム(Asia Leadership Program)を開始しました。中長期的に人材を育成していくことを目指しており、学習セッションのほか、アクションラーニング、メンタリング、経営層とのラウンドテーブルなどを取り入れた継続的な育成プログラムになっています。

管理職向け

GROW: Great managers at LIXIL

長期的に持続可能な成長を実現するため、その土台を支える管理職の育成を目的とした「GROW: Great managers at LIXIL」を展開しています。統一された基準のもと各国の管理職を育成することを目指しており、2023年10月に日本で先行して導入しました。その対象者は約4,000人に上り、2025年3月期には他地域にも展開予定です。同プログラムは、単発のトレーニングではなく、チームメンバーを効果的に育成するために必要な7つのスキルの習得と行動変容を促す中長期的な取り組みです。専用ポータルサイトを通じて、スキルフレームワークやツールキットなど、学びと実践のための資源を一元化し、参加者の自己学習を支援しています。

D&I推進プログラム

インクルーシブな組織づくりにおいて重要な役割を担う管理職に対して、D&Iへの理解と実践を深めるプログラムを提供しています。

D&I推進プログラムの詳細はこちら >

すべての従業員に対して

新入社員やキャリア採用社員のオンボーディング研修、エンゲージメントプログラム、英語研修などを通じて、従業員の能力開発に取り組んでいます。とりわけ、デジタル教育プログラム「デジラク」では、デジタル部門が事業ニーズを考慮し開発した研修メニューを通じて、生産性向上や業務改革に役立つデジタル技術や知識を全従業員に提供しています。

ノーコード開発ツールの活用に向けた教育・資格制度

開発されたアプリ数
2,778
開発者数
7,854

IT専門知識がない従業員でもデジタル技術を活用した業務変革を進め、組織の機動性を高められるよう様々な取り組みを行っています。その一環として、従業員が独自の業務アプリを迅速に開発・運用できるように、ノーコード開発ツールの使用を推奨しています。社内では、ノーコード開発ツールに関する教育資料・活用事例の提供や相談会を実施するとともに、段階的な資格制度を構築することで、学びたいと思う人がいつでも学べる環境を実現しています。 2021年10月に社内でノーコード開発ツールが公開されて以来、一人ひとりが自らの業務を見直し、そのアイディアを活かして業務プロセスを改善することで、LIXILのデジタルトランスフォーメーションを推進しています。

ノーコード開発ツール公開から2024年3月期までの実績
開発されたアプリ数 2,778件
開発者数 7,854人(利用対象者数のうち42.6%)
資格保有者数 シルバー: 107人、ブロンズ: 623人

生成AI活用に向けた研修プログラム

LIXILには生成AIツール開発の内製エンジニアリングチームがあり、生産性向上のためのツールを提供しています。デジタルツールに苦手意識がある従業員も安心してAIを活用できるよう、「デジラク」内でスキルチェックや研修を実施し、学びへのアクセシビリティを高めるためショート動画などの公開も進めています。同プログラムを通じて、これまでに1,383人の従業員がAIに関する知識とスキルを習得し、約4,500人が実際の業務で活用しています。

学習文化を支えるプラットフォーム

全社共通のラーニングプラットフォームとして「Litmos(リトモス)」を導入しています。感覚的に使用できる優れた操作性によりユーザー・コンテンツ作成者両者による積極的な利活用を目指しています。また、一人ひとりのスキルやニーズに応じて研修や教育プログラムを選べるよう、社内外の教育・研修の情報を一元化したイントラネットサイト「LIXIL Learning-Hub」を公開し、自発的に学びやすい環境を構築しています。

国内外の管理職や希望者向けに、「LinkedInラーニング」を導入しており、自律的なスキル・キャリア開発を行うためのツールとして活用されています。同プログラムでは、専門家による講座、ビデオ、ウェビナーなど17,000以上の豊富なコンテンツを7ヵ国語で提供しています。社内で作成した教育コンテンツと複合させて展開することにより、質の高い教育コンテンツを効率的かつタイムリーに提供しています。

LIXILの教育体系

LIXILの教育体系

上記以外にも、 部門別専門性教育に注力し、各部門のポータルサイトやラーニングプラットフォーム「Litmos」を通じて従業員のスキル向上を促進しています。これにより、最新知識の習得と実務への応用が可能になり、組織の競争力を高めています。

各種研修・教育支援制度の種類と2024年3月期の活用状況

項目 研修概要 参加者数
NEXT Tier1 経営幹部候補を対象とした選抜型人材育成プログラム 53人
NEXT Tier2 管理職候補を対象とした選抜型人材育成プログラム 222人
新人研修 新規入社の従業員を対象とした基礎研修 362人
階層別研修 それぞれ必要とされるスキルや能力開発のための職位・階層ごとの研修 835人
管理職研修 管理職を対象とした研修 3,938人
部門別研修 開発・生産・営業など職種ごとに必要とされるスキル・能力開発のための部署ごとの研修 40,790人

対象範囲:(株)LIXIL国内 直接雇用の従業員(パート社員を含む)

※これまで新任管理職研修を対象としてきましたが、2024年3月期の開示より全管理職を対象とした中長期的な育成プログラムGROWの参加者数を対象としています

従業員一人当たり年間合計研修時間・研修費用については以下をご覧ください。

社会データの範囲および詳細 >

キャリア開発の支援

従業員一人ひとりがやりがいを持って自律して働くことを目指し、全社で「Career Journey」プロジェクトを展開しており、人事や各事業部門が主体となり様々なキャリア開発施策を講じています。

その一環として、各地域ではグローバル共通のフォーマットを用いながら、業務評価サイクルに沿ってIDP(個人能力開発計画)を作成し、その内容を上司と振り返る1on1レビューを定期的に実施しています。また、国内では、従業員が実現したいキャリアについて年に1回上司と話し合う「キャリア申告制度」や、「Job Posting(社内公募)制度」を通じて、自身の希望に基づくキャリア形成にチャレンジできる仕組みを構築しています。

話し合いを行う従業員の様子

その他、社外での副業を可能とする制度の運用や業務時間の20%を社内での副業に充てる制度の試行を実施するなど、従業員が自らの能力をさらに伸ばし、多様な経験を積むことを推進しています。

※ 対象範囲:(株)LIXIL国内および生産系子会社(国内)原籍の正社員

評価の仕組み

LIXILでは、全従業員※1を対象として、その成長と成果に対して公正に報いることを目的に、人事評価を設計し、運用しています。

国内では、期初に設定した半期目標に対する達成度を反映する業績評価と「LIXIL Behaviors(3つの行動)」に基づく行動評価の2つを軸に評価制度を運用しています。また、従業員個人の業績目標達成や能力開発を支援するため、年間を通じて従業員とその上司が対話を重ねる1on1ミーティングを定期的に設定しています。

  • 業績評価
    評価者:被評価者本人、直属の上司、直属の上司以外の管理職
    評価頻度:半年に1回※2

  • 行動評価
    評価者:被評価者本人、直属の上司、直属の上司以外の管理職
    評価頻度:1年に1回

評価プロセスは、以下のとおりです。
1) 被評価者である従業員が評価期間のはじめに設定した目標に対して自己評価を実施
2) 直属の上司と評価面談を行った上で1次評価が決定
3) 複数の部署の管理職が集まる評価会議での議論を経て、個人業績評価が決定

評価者は目標に対する進捗を評価するだけではなく、面談を通じて被評価者とともに活動の振り返りを行い、今後の期待を共有することで、従業員の育成を図っています。

※1 パート社員を含む

※2 管理職については、年度目標に対する達成度で業績評価を行うため、評価を年に1回実施しています。また、上級管理職の個人業績評価には一定の割合で組織目標の達成度が反映されます

SHARE

x
in
PageTop