LIXILは、世界中の誰もが描く住まいの夢を実現するために、日々の暮らしの課題を解決する先進的なトイレ、お風呂、キッチンなどの水まわり製品と窓、ドア、インテリア、エクステリアなどの建材製品を開発、提供しています。
2025年3月期実績
LIXILは、従業員が価値創造の原動力であるという認識のもと、長期的な視点で人材育成に取り組んでいます。将来のビジネスニーズを踏まえ、グローバル全体で人材を可視化し、後継者の育成に注力しています。
私たちは、すべての従業員がやりがいを持って柔軟に働き活躍できる職場の実現を目指し、「会社が導く戦略的なキャリア」と「従業員が切り拓く自発的なキャリア」の2つの側面からキャリア開発支援に取り組んでいます。
また、D&I戦略の主要テーマであるジェンダー不均衡の是正に向けて「2030年3月期までに取締役および執行役の50%、全世界の管理職の30%を女性とする」という目標を掲げています。これに伴い、将来の役員や管理職としてのポテンシャルを持つ女性従業員の育成にも積極的に取り組んでいます。
LIXILでは組織全体で有望な人材を発掘し育成するために、各事業部門の部門長と執行役がPeople & Organizational Development(POD:人材組織レビュー)を実施し、主要なポジションの後継者、ハイポテンシャル人材、女性人材について議論しています。
2025年3月期においては、26部門のセッションを経て、全社で909人の後継者と51人(ハイポテンシャル人材全体163人のうち31%)の女性ハイポテンシャル人材を特定しました。これらの計画的かつ積極的なアクションにより、重要なポジションにおける人材プールの構築や後継者数の増加、全社における女性の昇格率の上昇などといった成果が表れています。

さらに、国内では、若手人材の登用を積極的に進めていくため、一部の事業部門においてリスト化の対象範囲を広げ、有望な人材の発掘に努めています。
これにより、緊急時を含むあらゆる状況下での事業の継続性を確保し、LIXILの将来に向けて戦略的にハイポテンシャル人材や後継者を選定する体制を構築しています。選定された人材に対しては、個々の強みや課題に応じた育成計画を策定した上で、チャレンジングな実務アサインメントや異動機会、リーダーシップ研修などを提供し、その成長を促進しています。
なお、特定された人材の育成を促進するため、年間を通じたチェックインプロセスを確立することで、優秀な人材の流出を防ぐ効果も期待できます。
また、女性人材の育成に向けて、2024年3月期より「女性アウトリーチプログラム」を開始し、経営層との座談会や自己啓発に活用できるスキルアセスメントを実施しました。
LIXILでは、新入社員から経営陣までのすべての従業員が学び、成長し、学習文化を育むことを目的とした教育体系を構築しています。

経営層の育成を目的とした様々なプログラムを展開しています。
未来を創造する賢明で決断力のあるリーダーを育成するため、米国ダートマス大学タック・スクール・オブ・ビジネス(Tuckビジネススクール)と世界的に活躍する企業とのパートナーシップのもと、高いポテンシャルを持つリーダーに対して6ヵ月間のプログラムを実施しています。プログラムでは約1週間の対面研修を海外・日本でそれぞれ1回、オンライン研修を5回開催し、チーム単位のアクションラーニング※に取り組みます。グローバルで多様性に富むトップクラスの教授陣が講義を行い、参加者はグローバルとデジタル変革が入り混じる複雑な新時代に組織を導くための能力と考え方を培っています。
※チームで現実の問題に対処し、その解決策を立案・実施していく過程で生じる実際の行動とその振り返りを通じて、個人、そしてチームや組織の学習する力を養成する学習法
2024年3月期は、世界各国のリーダー485人が「AIによるビジネス変革」を目指し、Tuckビジネススクールのビジャイ・ゴビンダラジャン教授によるオンラインセッションを受講しました。同教授による新著「フュージョン・ストラテジー」をベースに、ビジネスのリアルタイムデータとAIの有効活用を学び、参加者はLIXILが目指す変革的な成長をリードするための新しい洞察と知識を得ました。さらに、参加者には書籍とAIコーチングツールを配布し、実践での活用を推進しています。
2025年3月期には、オフサイトミーティングを日本で開催し、各事業部門およびコーポレート部門から83名が参加しました。フュージョン・ストラテジーのコンセプトをより具体化し、各部門での活用方法について議論する場を設けました。
将来の経営幹部候補および若手社員のリーダーシップの育成を目的として、次のようなプログラムを実施しています。
あらゆる世代の多様な人材が、重要なポジションを担える組織を実現するため、LIXILは実力主義のもと、次世代のリーダーとなりうる有望な人材を発掘・育成する「NEXTプログラム」を実施しています。同プログラムでは、選抜された従業員に合わせて育成責任者が個別に作成した育成計画に沿って、チャレンジングな実務課題に取り組むことで人材育成の加速化を図っています。また、CEOや執行役とのラウンドテーブルを実施するなど、経営陣の強いコミットメントのもと推進し、プログラム参加者の積極的な昇格につなげています。
| NEXT Tier1 | NEXT Tier2 | |
|---|---|---|
| 対象 | 次世代の経営幹部候補として各部門が推薦した者 | 次世代の管理職候補として各部門が推薦した者 |
| 育成目標 | 3年を目処に、事業部長・統括部長・部長などに昇格 | 3年を目処に、グループリーダーなどの管理職に昇格 |
| 参加人数※1 | 12人 | 144人 |
| プログラム構成 |
経験:7割 他者からの学び:2割 研修:1割 |
|
※1 プログラム修了者を除く
※2 実施頻度:月1回以上を推奨
2024年3月期は、Asia地域で新しい選抜型リーダーシッププログラム(Asia Leadership Program)を開始しました。中長期的に人材を育成していくことを目指しており、学習セッションのほか、アクションラーニング、メンタリング、経営層とのラウンドテーブルなどを取り入れた継続的な育成プログラムになっています。
長期的に持続可能な成長を実現するため、その土台を支える管理職の育成と成長を目的とした「GROW:Great Managers at LIXIL」を展開しています。管理職の自己成長とスキル開発の促進、問題解決能力・意思決定能力・レジリエンス(回復力)の向上、仕事満足度と信頼関係の向上、ワークライフバランスの改善、そしてネットワークの拡大を図ります。このプログラムでは、統一された基準のもと各国の管理職を育成することを目指しており、2024年3月期に日本で先行して導入しました。2025年3月期には他の地域への導入を開始し、2025年3月時点でグローバル全体で4,741人の管理職を対象に展開しています。同プログラムは、単発のトレーニングではなく、チームメンバーの可能性を最大限に引き出すためにLIXILの管理職に必要な7つのスキルの習得と行動変容を促す中長期的な取り組みです。専用ポータルサイトを通じて、スキルフレームワークやツールキットなど、学びと実践のための資源を一元化し、参加者の成長を支援しています。また、Googleカレンダーを活用した学習スケジュールの設定を推奨し、学びと実践の習慣化をサポートしています。
さらに成長マインドセットの理解を深め行動変容を促進する事を目的として、各地域や部門において自主的にフォローアップ施策を実施しています。一例として、アメリカ地域ではベストプラクティスの共有、日本やヨーロッパ地域では対面での参加型ワークショップ、アジア地域では特定のスキルをテーマにした「GROW Learning Friday Sessions」や他部門よりゲストスピーカーを招き経験を語るなどの取り組みを実施しています。
また、学びを日々の業務やチームメンバーとの関わりの中で効果的に実践できるよう内製開発した管理職の育成サポートツールとして、「AIコーチ」を導入しています。LIXIL BehaviorsやD&IガイドブックなどのLIXILの考え方を反映したAIが、一人ひとりに合わせたリアルタイムのコーチングと実践的な提案を行います。
日本で行ったサーベイでは、約83%がプログラムを通じて自身の成長へのメリットを実感しており、69%がGROWの体現がチームに良い影響を与えると感じています。また、実際にGROWを通して「部下に質問する機会が増え、対話を通じて目標達成を支援できるようになった」や「論理的に解決策を導き出せるようになった」などの声も上がっており、管理職の行動変容や学びの実践につながっています。
インクルーシブな組織づくりにおいて重要な役割を担う管理職に対して、D&Iへの理解と実践を深めるプログラムを提供しています。
新入社員やキャリア採用社員のオンボーディング研修、エンゲージメントプログラム、英語研修などを通じて、従業員の能力開発に取り組んでいます。
デジタル教育プログラム「デジラク」では、デジタル部門が事業ニーズを考慮し開発した研修メニューを従業員(パート社員、契約社員を含む)に提供しています。従業員が生産性向上や業務改革に役立つデジタル技術や知識を習得し、働き方に取り入れることは、従業員エクスペリエンスの向上にもつながります。
IT専門知識がない従業員でもデジタル技術を活用した業務変革を進め、組織の機動性を高められるよう様々な取り組みを行っています。その一環として、従業員が独自の業務アプリを迅速に開発・運用できるように、ノーコード開発ツールの使用を推奨しています。社内では、ノーコード開発ツールに関する教育資料・活用事例の提供や相談会を実施するとともに、段階的な資格制度を構築することで、学びたいと思う人がいつでも学べる環境を実現しています。 2021年に社内でノーコード開発ツールが公開されて以来、4,020の業務アプリが開発されました。開発者数は2025年3月時点で9,916人に及びます。一人ひとりが自らの業務を見直し、そのアイディアを活かして業務プロセスを改善することで、LIXILのデジタルトランスフォーメーションを推進しています。
| 開発されたアプリ数 | 4,020件 |
|---|---|
| 開発者数 | 9,916人(利用対象者数のうち52.9%) |
| 資格保有者数 | ゴールド: 17人、シルバー: 197人、ブロンズ: 847人 |
※対象範囲:(株)LIXILおよび子会社
※ゴールド資格は2024年8月に新設
LIXILには生成AIツール開発の内製エンジニアリングチームがあり、生産性向上のためのツールを提供しています。デジタルツールに苦手意識がある従業員も安心してAIを活用できるよう、「デジラク」内でスキルチェックや研修を実施し、学びへのアクセシビリティを高めるためショート動画などの公開も進めています。同プログラムを通じて、2025年3月期までにグローバルで(日本国内では子会社を含む)4,515人の従業員がAIに関する知識とスキルを習得し、約7,900人が実際の業務で活用しています。
全社共通のラーニングプラットフォームとして「Litmos(リトモス)」をグローバルに展開しています。感覚的に使用できる優れた操作性によりユーザー・コンテンツ作成者両者による積極的な利活用を目指しています。また、一人ひとりのスキルやニーズに応じて研修や教育プログラムを選べるよう、社内外の教育・研修の情報を一元化したイントラネットサイト「LIXIL Learning-Hub」を公開し、自発的に学びやすい環境を構築しています。
国内外の管理職や希望者向けに、「LinkedInラーニング」を導入しており、自律的なスキル・キャリア開発を行うためのツールとして活用されています。同プログラムでは、専門家による講座、ビデオ、ウェビナーなど17,000以上の豊富なコンテンツを7ヵ国語で提供しています。社内で作成した教育コンテンツと複合させて展開することにより、質の高い教育コンテンツを効率的かつタイムリーに提供しています。
その他、部門別専門性教育に注力し、各部門のポータルサイトやLitmosを通じて従業員のスキル向上を促進しています。これらの取り組みにより、最新知識の習得と実務への応用が可能になり、組織の競争力を高めています。
従業員一人ひとりがやりがいを持って自律して働くことを目指し、全社で「My Career Journey」プロジェクトを展開しており、人事や各事業部門が主体となり様々なキャリア開発施策を講じています。
その一環として、各地域ではグローバル共通のフォーマットを用いながら、業務評価サイクルに沿ってIDP(個人能力開発計画)を作成し、その内容を上司と振り返る1on1ミーティングを定期的に実施しています。また、国内では、従業員が実現したいキャリアについて年に1回上司と話し合う「キャリア申告制度」や、「Job Posting(社内公募)制度※」を通じて、自身の希望に基づくキャリア形成にチャレンジできる仕組みを構築しています。

その他、社外での副業を可能とする制度の運用や業務時間の20%を社内での副業に充てる制度の試行を実施するなど、従業員が自らの能力をさらに伸ばし、多様な経験を積むことを推進しています。
※ 対象範囲:(株)LIXIL国内および生産系子会社(国内)原籍の正社員
LIXILでは、全従業員※1を対象として、その成長と成果に対して公正に報いることを目的に、人事評価を設計し、運用しています。
国内では、期初に設定した半期目標に対する達成度を反映する業績評価と「LIXIL Behaviors(3つの行動)」に基づく行動評価の2つを軸に評価制度を運用しています。また、従業員個人の業績目標達成や能力開発を支援するため、年間を通じて従業員とその上司が対話を重ねる1on1ミーティングを定期的に設定しています。
業績評価
評価者:被評価者本人、直属の上司、直属の上司以外の管理職
評価頻度:半年に1回※2
行動評価
評価者:被評価者本人、直属の上司、直属の上司以外の管理職
評価頻度:1年に1回
評価プロセスは、以下のとおりです。
1) 被評価者である従業員が評価期間のはじめに設定した目標に対して自己評価を実施
2) 直属の上司と評価面談を行った上で1次評価が決定
3) 複数の部署の管理職が集まる評価会議での議論を経て、個人業績評価が決定
評価者は目標に対する進捗を評価するだけではなく、面談を通じて被評価者とともに活動の振り返りを行い、今後の期待を共有することで、従業員の育成を図っています。
※1 パート社員を含む
※2 管理職については、年度目標に対する達成度で業績評価を行うため、評価を年に1回実施しています。また、上級管理職の個人業績評価には一定の割合で組織目標の達成度が反映されます