使い捨てから循環型へ:住まいに新たな命を吹き込む製品とは

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更新:2021年10月19日

資源の浪費による危機は、今後5年から10年の間に、地球の存続に関わる重要課題のトップ5に入ると予測されています¹。大量生産・大量消費は世界の温室効果ガス排出につながっていますが、そのうち45%は産業、農業、土地利用に起因しています。気候変動に対処するためには再生可能エネルギーへの移行が不可欠ですが、それだけでは世界の温室効果ガス排出量の55%にしか対応できません²。また、産業廃棄物の埋め立ては地下水の汚染を招き、マイクロプラスチックなどの問題は水の安全保障や海の生物に影響を与え続けています。このように、資源の問題は、多くの環境問題とも複雑に絡みあっているのです。

私たちの世代が環境に与える影響を軽減するためには、循環型経済の実現が急務だといえます。そのために、企業には、サプライチェーンやバリューチェーン全体で持続可能なビジネスモデルの構築が求められています。

循環型住宅の実現に向けて

世界では人口増加に伴い、住宅需要が拡大しています。さらに、急速な都市化により、建築・建設に使用される原材料の乱掘が発生し、これは世界の資源消費量の40%を占めています³。先進的な水まわりと建材製品を提供するLIXILは、「水の保全と環境保護」をコーポレート・レスポンシビリティ(CR)戦略の3つの優先取り組み分野の1つとして掲げ、取り組みを進めています。さらに、「Zero Carbon and Circular Living(CO₂ゼロと循環型の暮らし)」の実現を目指すLIXIL環境ビジョン2050を策定し、2050年までに、環境分野のリーディングカンパニーとして、事業プロセスと製品・サービスを通じてCO₂の排出を実質ゼロにし、水の恩恵と限りある資源を次世代につなぐことを目指しています。資源の保護についても、業界のリーダーとして重要な役割を果たすべく、活動を展開しています。

LIXILでは、製品の原材料として可能な限りリサイクル素材を使用し、長寿命化とリサイクル性を考慮した設計を行うなど、製品やサービスの設計においても責任ある資源の使い方を推進し、循環型社会への移行を目指しています。サステナブルな暮らしを提案すべく、交換やアップグレードが可能な部品を備えた製品を提供するなど、消費者の選択肢を広げるとともに、製品の使用段階での環境負荷を最小限に抑える工夫を図っています。

循環型のプロダクトデザイン:GROHE初の「Cradle to Cradle®」認証取得製品

LIXILが展開するGROHEブランドは、循環型社会の実現に向けて、資源を持続的に有効活用する取り組みをリードしており、同ブランドの水栓金具の原材料となる真鍮のリサイクル率を80%、全体のリサイクル率についても99%を達成しています。循環型の価値創造に向けた一歩として、GROHEブランドは4つのベストセラー製品カテゴリーで、グローバルな環境認証である「Cradle to Cradle Certified®(ゆりかごからゆりかごまで)」認証を取得し、販売を開始しました。Cradle to Cradle Certified®(C2C)認証を取得するには、「原材料の安全性」「素材の再利用」「再生可能エネルギーの使用」「ウォーター・スチュワードシップ(水の責任ある管理)」「社会的公正」の5つのカテゴリーで評価され、各製品には達成レベル(ベーシック、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ)が指定されます。つまり、C2C認証を受けた製品は、環境に配慮し、原材料の安全性や健康性が高く、リサイクル可能な素材を使用している点などが立証されているのです。

GROHE は、パートナーとの連携により、画期的なC2Cのデザインコンセプトを導入しました。製品のライフサイクル全体を考慮して、製造プロセスやシステムから設計することで、従来のリサイクルの域をはるかに超えて、資源を永続的に再利用する可能性を高めることができました。

GROHE の 4 つの商品において 「Cradle to Cradle®」のゴールド認証を取得

GROHEブランドでは、3シリーズの水栓(バウエッジ洗面水栓 Sサイズ、ユーロスマート洗面水栓 Sサイズ、ユーロスマートキッチン水栓)およびテンペスタ100ハンドシャワーセットという計4種類のベストセラー商品において認証機関であるCradle to Cradle Products Innovation Instituteよりゴールドレベルの認証を取得しました。バウエッジ洗面水栓とユーロスマート洗面水栓に搭載されている省エネ技術(シルクムーブES)は、無駄なお湯の使用を防ぎ、二酸化炭素排出量の削減に貢献します。

「循環型社会の実現までには長い道のりがあり、私たちはそのスタート地点に立ったばかりです」と、LIXIL Internationalで水栓、シャワーなどのFittings事業を率いるThomas Fuhrは言います。「C2C認証を取得するためには、川上の製造プロセスと社内システムを考慮しなければならず、非常に難しいものでしたが、そのメリットは明らかでした。新たな資源の消費を大幅に削減することができるのです。業界の考え方を転換させることは、私たちが果たすべき義務だと考えます」。

GROHEブランドでは次なる課題として、使用済みのC2C認証を取得した水栓の回収プロセスの構築に取り組んでいます。

リサイクルに配慮した、TOSTEMの樹脂窓「EW」

TOSTEM の樹脂窓「EW」

日本の樹脂窓に使用される樹脂は、ほとんどがリサイクルされずに埋め立てられてしまいます。LIXILは、循環型社会の実現に向け、優れた樹脂リサイクル技術を持ち、窓や住宅ドア用の樹脂形材を製造する世界有数のメーカーであるプロファイン社と共同で樹脂窓「EW」を開発しました。プラスチックをはじめとする資源の使い方を見直し、プラスチック資源の循環利用を促進する「LIXILプラスチック行動宣言」にも通ずるこの事業では、製品の製造段階から資源の再利用とアップサイクルを可能にするプロセスを確立しました。

2021年8月に発売された「EW」は、従来品と比較してリサイクル材使用率を約3倍に拡大しています。また、接着剤を使わずに樹脂フレームとガラスを簡単に分離・回収できる押縁仕様を採用しました。今後、LIXILは、官民連携を通じて、樹脂窓のリサイクルシステムの構築を目指します。

EWの断面図 - 青色の部分にはリサイクル材を使用。青色と白色の部分はいずれも使用後にリサイクル可能。

さらにLIXILでは、製品設計だけでなく、廃プラスチックの再利用のあり方を変えるハイブリッド素材の開発にも着手し、実証実験に取り組んでいます。この新素材は、主に廃木材と廃プラスチックを混ぜたもので、これまでリサイクルが難しいとされてきた海洋プラスチックを含め、菓子袋等の他素材が混合された状態の廃プラスチックも活用することが可能です。
その為、従来のプラスチックリサイクルに必要とされる選別プロセスも必要としません。
耐久性にも優れており、街路の舗装材や、商業施設やオフィスビルの外溝部に使われるデッキ材などにも活用でき、世界中の廃プラスチックを活用するソリューションとなる可能性を秘めています。

LIXIL 執行役専務LIXIL Housing Technology Japan担当の吉田聡は言います。「LIXILでは、100%リサイクル素材を使用したウッドデッキや、循環利用が可能な国産材を基材に使用した床材、そして今回発売した樹脂窓EWなど、資源の行く末を見据えた製品開発に積極的に取り組んでいます。私たちは、責任ある資源の使い方を追求し、事業プロセスや製品・サービスにおける環境への負荷の低減を目指します。LIXILはこれからも製品・サービスを通じて、循環型の暮らしの実現を目指すことで、世界中のあらゆる人びとの豊かで快適な住まいの実現に貢献していきます」

EW や LIXIL の循環型社会に向けた取り組みについて(動画)

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