LIXILは、世界中の誰もが描く住まいの夢を実現するために、日々の暮らしの課題を解決する先進的なトイレ、お風呂、キッチンなどの水まわり製品と窓、ドア、インテリア、エクステリアなどの建材製品を開発、提供しています。
更新:2021年6月15日
2021年も半分が過ぎようとしていますが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は引き続き世界に影響を与えています。私たちはいまだに生活のあらゆる面で、適切なバランスを模索しながら「ニューノーマル」に順応しようとしています。ソーシャルディスタンスを保ちながらも人間関係を維持し、新しいライフスタイルに挑戦しながら自分の価値観に忠実でありたいと願っているのです。この未曾有の事態に直面したことで、あらゆるものがデジタル化するなど、個人、企業、そして業界全体が変化を加速させています。
コンサルティング会社、マッキンゼーの調査結果によると、COVID-19の影響により、顧客とのやり取りのデジタル化が数年間分も加速したことがわかりました。同調査によると、顧客とのやり取りの少なくとも80%はデジタルに移行していることが明らかとなっています¹。急速に進化するデジタル技術と消費者の行動の変化に対応するため、企業はデジタルを通じてよりパーソナルな体験を提供することが求められています。
デジタルトランスフォーメーションの成功には、これまでの常識を打ち破り、課題を新たな機会として受け入れることが重要です。これはLIXILの場合、従来の住宅設備・建材メーカーの常識を覆し、エンドユーザーとの距離を縮め、ビジネスパートナーをサポートし、従業員のエンパワーメントを図ることを意味しています。つまり、既存のビジネスを変革し、新たなビジネスを創造するためにデジタル改革を進めています。新たなデジタルエクスペリエンスを可能とするGROHE Xは、まさにこの具体事例だといえます。
消費者はこれまで以上にオンライン上でやり取りしたり、つながることに積極的になっています。これは同時に、現在のリアルな日常では得られないユニークな体験を求めているということでもあります。LIXILが展開するグローバルな水まわり製品ブランドの一つであるGROHEは、こうしたニーズに対応する業界初のデジタルプラットフォーム GROHE Xを立ち上げました。このプラットフォームでは、ビジネスパートナーやエンドユーザーのニーズや関心に応じて、刺激的かつ有益なマルチメディアコンテンツを提供しており、一人ひとりに合わせたブランド体験が可能となっています。
お客さまの日常生活に真の価値を提供することを目指し、GROHEブランドでは、いつでもオンデマンドで利用できるコンテンツを提供しています。例えば、最新のシャワーシステムの使い方を説明するハウツービデオ、小売店での販売スキルを向上させるトレーニングプログラム、建築家やデザイナーが新製品の魅力にじっくりと浸ることができる360° ルーム など多彩なプログラムが用意されています。また、「A Glass of Water with…」というタイトルで展開するGROHEブランドに携わる社内外の人物によるトークシリーズでは、製品だけではなく、仕事の舞台裏や、製造技術、デザインなど、普段聞くことのできない一面を垣間見ることができるコンテンツを提供しています。
さらにGROHE Xでは「Discover what's next(一歩先の未来を発見しよう)」をモットーに、ビジネスパートナーがプラットフォーム上で営業担当者と直接アポイントを取り、サイトで紹介される革新的な製品について情報交換することを可能にする一方で、専門家とゲストが住空間の未来について直接話し合うパネルディスカッションなど、様々なイベントを開催しています。
コロナ禍において、GROHE Xは、2年に1度開催される世界最大規模のバス・トイレ・ビルディング・冷暖房・空調・再生エネルギーの国際専門見本市ISH 2021に代わり、多くの人にGROHEブランドの魅力を伝える手段として導入されました。エンドユーザーやビジネスパートナーとのやり取りがデジタル化する中で、新たな時代におけるエンゲージメントのあり方を実現し、一人ひとりのニーズに対応するデジタルエコシステムの象徴となっています。つまり、展示会の代替手段というだけではなく、近い将来、オンラインとオフラインのハイブリッド型イベントを実施したり、トラックツアーとも連携できるデジタルプラットフォームなのです。
GROHE Xはエンゲージメントを劇的に高めることが既に証明されており、2021年3月のスタート時には1週間で140カ国、68,000人以上のアクセスがありました。初日だけで、消費者インサイトや「グリーンビルディング」に関する基調講演やパネルディスカッションを実施し、約4,000人のゲストを迎えました。
欧州地域の事業を統括するLIXIL EMENAのリーダー、Jonas Brennwaldは次のように述べています。「GROHE X の立ち上げは、GROHEブランドにとって大きな実績だといえます。消費者、サプライヤーをはじめとするステークホルダーからの好意的なフィードバックに圧倒されました。製品を発表するだけでなく、私たちの行動の原動力となっているものは何なのかを伝え、GROHEブランドの魅力を 体験していただく上でこれまでにない機会を提供しています。私たちはGROHE Xと共に、新たなデジタルジャーニーと乗り出したといえます」。
抗えない事実として、今後、企業はデジタルの世界で、ますます存在感を発揮していかなければならなくなります。エンドユーザーが変化に対応するために新しい手段を取り入れている一方で、企業を取り巻く環境も昨年一年間で劇的に変化しました。B2B企業の意思決定者の10人に8人が、オムニチャネル化は従来の方法と同等かそれ以上の効果があると言います。そして世界のB2B企業の意思決定者の約85%が、今後リモートでのデジタルツールを活用したビジネス手法は長期的に継続すると考えており、さらに、サプライヤーの営業担当者の約3人に2人は、リモートでのやり取りやデジタルでのセルフサービスを好んでいます²。
LIXILのデジタルジャーニーは、COVID-19の拡大以前から、実験的に開始されていましたが、真の意味で価値を創造できるように、デジタルを活用するという取り組みを強く推進しています。そして、GROHE Xの成功が示す通り、このデジタルジャーニーはLIXILの従業員の力なくしては、実現しないのです。
Brennwaldは次のようにも語っています。「リモートワークという環境にも関わらず、果敢に挑戦し、リーダーシップを発揮することでGROHE Xを成功に導いたチームに深く感謝しています。1つのアイデアをもとに、GROHEブランドが大切にする『Pure Freude an Wasser"(水を楽しむ喜び)』をオンラインで提供するという、全く新しい手法を生み出してくれたメンバーを誇りに思います」。