魅力ある差別化された製品の開発

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更新:2019年1月11日

デザイン主導のイノベーション

LIXILは、2018年よりLIXIL Water Technology (LWT) でデザインチームを率いてきたChief Design OfficerのPaul Flowers(ポール・フラワーズ)の役割を拡大し、組織全体のDNAにデザイン主導のアプローチを組み込んでいきます。今後Flowersは、LIXIL Housing Technology (LHT) のデザインも監修し、より生活者視点に立ったデザイン手法を商品開発に取り入れています。

エンドユーザーの声に耳を傾ける

デザインについて考えるとき、Flowersが何よりも大切にしているのはエンドユーザーのニーズです。

「多くの企業が、エンドユーザーの問題を解決しようとはせず、自社の既存資産を活用して変わりばえのしない商品を延々と市場に送り込んでいます。しかし、エンドユーザーは、企業の都合だけで作られた商品を購入してはくれません。彼らは、自分が本当に欲しいと感じる商品を購入したいと思っているのです。大切なのはエンドユーザーを観察し、その声に耳を傾け、要望や不満を分析することであって、彼らを説得することではありません」

Flowersは、この考え方を「プリサーチ(事前調査)」と呼んでいます。

「大企業でありながら、身軽に動けること、それがLIXILの強みです。旺盛な好奇心とともに思索をめぐらし、いかに改善できるか、なぜそうなったのか、ほかの方法はないか、といった自問自答を常に繰り返します。付加価値を生み出すためには、こうした考え方が重要です」

LIXILのデザインプロセスの確立

Flowersは、LWTのあらゆる商品や技術の開発に活用できるデザインのプロセスを導入しました。デザインチーム内では、各ブランドの主要な個性を「ブランド・レンズ」と呼び、本当に価値のある商品をデザインし、エンドユーザーに届けるための柱にしています。

「LWTの各ブランドは、それぞれの目的、個性、価値観で明確に定義されています。ブランド・レンズを技術面にも適用することで、様々な素材、色、仕上げの表現が可能になり、エンドユーザーの多様なニーズを満たしながら、異なる価格帯の商品を具現化できるのです。もちろん文化的な影響も無視できません。日本の技術は世界の人びとから信頼されています。そこにGROHEのようなブランド価値が加わることで、予想外の成功も得られるのです」

これまでの取り組みは、主要商品の売り上げ増という成果につながっています。LWTのグローバルブランドすべてが名だたるデザイン賞に輝くなど、Flowersはデザインチームの仕事に確かな手応えを感じています。

「商品の開発の裏には、世界トップクラスのデザインチームの存在があります。優れたデザイナーたちの創造力を引き出し、自主的にデザインスタジオを運営させた成果は大きく、満足しています」

商品のデザインから体験のデザインへ

社内にトップレベルのデザインチームを抱えるメリットの一つは、開発のすべての段階でデザイナーが関与できることです。

「社内のデザインチームは、技術者や生産現場と協働し、そこで得た情報をどうデザインに活かせるかを理解します。マーケティングとも緊密に連携し、商品名の考案、パッケージのデザイン、見本市への出展など、エンドユーザーとのすべてのタッチポイントにデザインの考えを反映しています。こうしたアプローチにより、エンドユーザーのニーズがデザインに活かされ、あらゆるユーザー体験を向上させているのです」

さらにFlowersは、単なる商品デザインから「体験のデザイン」へシフトすることにも力を入れています。独自のフィルターシステムでおいしい飲み水を供給する「GROHE BLUE(グローエブルー)」もその一例です。

「『GROHE BLUE』を開発するにあたり、まずは蛇口のブランドを新規に立ち上げました。ブランド価値を象徴するものを、エンドユーザーにはっきりと提示したかったのです。ユーザーが、どうやって水を汲み、どうやって持ち運ぶのか、その流れも観察しました。こうしたプロセスから、エンドユーザーが商品に求める新たな価値観として、水の値段や安全性だけでなく、社会的な意義も重視されていることがわかりました。水道水を飲むことで環境保護に貢献できる。それが『GROHE BLUE』を選ぶ有力な動機の一つになっていたのです」

LHTの変革

Flowersは今後、デザイン思考によるアプローチを、LHTにも取り入れていきます。

「やはりエンドユーザーを第一に考えることです。商品を作るための工場があるから作るのではなく、エンドユーザーや人類全体の役に立つ価値を生み出すこと。この基本姿勢が、LIXILに揺るぎのない目的意識と真の価値をもたらしてくれるのです。問題点も、弱点も、チャンスも同様に見極めていくことになります」

LWTで挙げた目覚ましい成果は、ほどなくLHTでも実現できると確信しています。「LHTにもすでにデザインチームがあり、目下、デザインのプロセスとツールを導入しているところです。今後、私たちの商品とサービスがより良くなり、それによってビジネスを再定義することができるようになり、さらにはブランドの価値を一層高められるようになるはずです」とFlowersは語ります。

社会に必要なものづくりを目指して

LIXILは、世界中のあらゆる人びとに必要なものづくりを進めています。最新のテクノロジーとエンドユーザーの視点に立ったデザインを組み合わせ、日々の暮らしの課題を解決するとともに、環境に配慮した商品を提供しています。

American Standard「Spectra」シャワーコレクション

「Spectra+ eTouch」は、一人ひとりの好みに合わせたシャワーを実現します。シャワーヘッドの端に触れるだけでシャワーのパターンを切り替えられる、業界初の技術を採用しており、濡れた手でも操作が簡単です。どこにでも取り付けられる壁設置型のリモコンで操作が可能なため、シャワーヘッドに手が届かない人でも、簡単に水流を調整できます。...

「Spectra+ Duo」は、固定式のシャワーヘッドとハンドシャワーが一体となった2-in-1デザインです。 2-in-1型のシャワーヘッドの中でも特に広く噴射することができ、浴室を大幅に改装することなく2つの便利な機能を楽しむことができます。

GROHE「Sensia Arena」

「Sensia Arena」は、日本が世界に誇る最先端のシャワートイレ技術と、ドイツの洗練されたデザインを融合しています。極限まで薄さを極めたメカニック部やシートデザインには、柔らかな曲線を描く筒型の陶器部分を組み合わせています。エレガントですっきりとした流線形のデザインは、現代的なトイレ空間に心地よく調和します。...

暗闇でほのかに光るライトなどの細かいディテールから、自動的に開閉する蓋に至るまで、ありとあらゆるデザインの可能性を追求しています。日本で開発されたLIXILの最新技術である「アクアセラミック」を素材として使用しているので、表面の輝きが100年続きます。また、強力な3つの水流による「トリプルボルテックス洗浄」などの最新技術が息づいています。

American Standard「Genie」ハンドシャワー

水圧が低い地域向けに開発されたハンドシャワー「Genie」は、これまでの圧力ブースターを使ったハンドシャワーとは異なり、120のマイクロスプレーノズルが、肌にやさしく安定したシャワーを提供します。...

特徴的なスケルトンボディから内部が見えるので、掃除が必要な時期がすぐにわかります。簡単にキャップを取り外すことができ、内部をいつも清潔に保つことができます。「Genie」には、アクアマリン、ペタルピンク、スチールグレーの3色が用意されています。金属製のハンドシャワーにはない爽やかさがあり、各地のトレンドや好みによってお選びいただけます。

LIXIL「カーポートSC」

「カーポートSC」が目指したのは、本来の機能はそのままに、
現代の住宅と美しく調和するカーポートです。構造を一から見直し、余計な装飾やノイズをなくすことで、ミニマルなファサード空間を演出しています。「中骨レス」の発想からアルミ素材を採用し、わずか40mmの薄さながら十分な強度を確保しています。...

アルミ素材を屋根材にも使用することで、直射日光を遮り、夏場に車内が高温になるのを防ぐとともに、愛車を色褪せや日焼けから守ります。また、雨樋の機能は内蔵し、ネジやボルトなどのパーツも表から見えないミニマルなデザインを追求することで、施工性の向上も実現しています。

INAX「エコカラット」

「エコカラット」は、デザインと機能を両立させた内装機能建材です。微細な孔を持つ多孔質セラミックスを素材としており、珪藻土の約5~6倍、調湿壁紙の25倍以上の優れた調湿機能を発揮します。部屋の湿度を40%~70%に保とうとするため、冬季や雨季の部屋干しに対応するほか、カビ・ダニ繁殖の抑制が期待でき、過乾燥による肌のカサカサなどを防ぐ室内環境づくりをサポートします。...

また、トイレや、生ごみ、タバコ、ペットなどの気になるニオイを抑え、ホルムアルデヒドなどの有害物質を低減する効果もあります。水まわりやパブリック空間におすすめな商品を含むラインナップで、スタイルを問わず、インテリア空間を豊かに演出します。
※効果は部屋の使用条件、気象・換気などの環境条件によって異なります

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