LIXILは、世界中の誰もが描く住まいの夢を実現するために、日々の暮らしの課題を解決する先進的なトイレ、お風呂、キッチンなどの水まわり製品と窓、ドア、インテリア、エクステリアなどの建材製品を開発、提供しています。
当社グループは、事業の継続と安定的発展を目的に、グループ全体でERM(Enterprise Risk Management)の構築・運用を行っています。その一環として、国際的なリスクマネジメントシステム規格であるISO31000、および国際的なフレームワークであるCOSO-ERMに基づき、全社員・役員を対象とした「リスクマネジメント基本規程」を定めています。その他、各種運用規程・細則等も定めており、実効性のあるリスクマネジメント体制の構築を図っています。
当社のリスクマネジメントの管理・構築は、Chief Legal & Compliance Officer (CLCO)が統括しており、CLCOを委員長とするリスクマネジメント委員会を設置しています。リスクマネジメント委員会で審議される議題のうち重要事項については上位会議体である執行役会に報告しています。また、取締役会は定期的にCLCOから報告を受け、リスクマネジメントの取り組み状況を監督しています。さらに、監査委員会はリスクマネジメント部門より報告を受け、リスクマネジメントの実効性を監督しています。
当社では、各部門のリスクオーナーによる日常的なリスク管理(第1線)、リスクマネジメント委員会による全社的なリスク管理(第2線)、そして内部監査部門による独立した視点での推進状況や体制に関する監督(第3線)の3つのラインの連携(3ラインモデル)により、全社的なリスクマネジメント体制を整備しています。
CLCOを委員長、事業部門から独立したリスクマネジメント部門を事務局とする当委員会は、全社リスクマネジメントの推進状況やリスクへの対応状況および大規模インシデントの発生状況を把握し、ERMに係る意思決定を行っています。委員メンバーは、執行役あるいは責任者による指名を受けた者、および委員長が指名する者で構成されています。
当社グループでは、事業活動に影響を与える可能性のあるリスクを洗い出し、1年に1回全社的なリスク評価を実施し、評価結果を基に当社グループとしての重要リスクを選定しています。評価結果および重要リスクは本社リスクマネジメント部門よりリスクマネジメント委員会へ報告・決議され、対応すべきリスクの優先順位を決定するとともに、モニタリングを実施しています。
また、リスクを戦略リスクとオペレーショナルリスクに分類しており、戦略リスクについては経営方針、事業戦略やインパクト戦略などの、中長期な視点やステークホルダーの視点などを幅広く捉える一方、オペレーショナルリスクについてはリスクオーナーが対策を推進しています。こうした一連の活動の中で、リスク選好度や許容度も考慮しながら、当社グループの重要リスクと対応策を開示することでリスク管理の透明性を高めています。
当社グループは、事業継続の重要性を認識しており、有事の際にも事業を継続し、被害を最小限に抑えながら早期の復旧を図るため、BCM(事業継続マネジメント)を推進しています。また、危機管理の基本方針として、規程やガイドライン等を定めるとともに、大規模自然災害やサイバー攻撃などの危機発生時のBCP(事業継続計画)の策定を強化しています。これらは定期的に見直しを行うとともに、一定以上のレベルの危機事象が発生した際には、本社危機対策本部を設置し迅速な初動対応とエスカレーションを図っています。