LIXILの知的財産戦略の考え方

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LIXILでは、企業としての存在意義(Purpose)である「世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現」を追求し、持続的な成長を実現するため、経営の基本的方向性「LIXIL Playbook」で定めた優先課題に注力しています。

知的財産部門は、この優先課題の実現に向けて、「経営戦略の実行を強化する知的財産権の取得・活用・リスクマネジメントを支援し、持続的な競争力に貢献する」というミッションの下で、知的財産戦略の実行を通じた「長期にわたる事業優位性と高収益性を実現する競争力の維持」を目標に、事業部門と連携し、戦略的な知的財産権の取得・活用と知的財産ポートフォリオの管理を支援しています。

グローバル知的財産戦略

ミッションを体現するにあたり、
基盤となる3つの柱とKPO(重要業績目標)

  1. 重大な事業リスクの回避・防止を実現する「適切なリスクマネジメント体制」

    第三者の知的財産を尊重し、知的財産権の調査を実施するなど、重大な事業リスクを回避・防止する仕組みを構築しています。知的財産部門と事業部門が連携し、製品開発のプロセスに知的財産権のリスクアセスメントを組みこむなど、開発段階から第三者の知的財産権の調査分析を行うことで、訴訟その他の法的リスクの発生を未然に防止するよう努めています。

  2. 第三者によるフリーライドを防止するための「差別化価値を守る知財マネジメント」

    LIXILは魅力ある差別化された製品やサービスを開発して世界中のエンドユーザーに価値を提供することを経営戦略の柱とし、人的資本と共に重要な経営資源である技術、デザイン、ブランド等の知的財産へ継続的に投資しています。また、長期にわたって事業優位性と高収益性を実現する競争力を維持するために、当社の知的財産権を保護し、競争力の源泉である当社の差別化要素の第三者による模倣を防ぐため、知的財産ポートフォリオマネジメントを推進しています。これにより、他社の追随を許さない世界各地で展開する唯一無二のブランド・ポートフォリオを通じて、差別化された高品質な製品を持続的に提供することが可能になります。また、当社の特許出願の約7割を日本で開発した技術が占めていますが、経営の基本的方向性で定めた優先課題であるウォーター事業における海外事業の成長促進を加速するため、国内で培った先端技術を海外製品にも積極的に活用しています。日本の技術開発力とグローバル市場で強みを持つデザイン・ブランド力の相乗効果を体現する製品・サービスの開発を加速することで、持続可能な成長につなげています。

  3. 経営戦略・事業戦略の策定を支援するための「知財インテリジェンスの活用」

    LIXILでは、IPランドスケープの手法を導入して知的財産情報の分析を行い、経営戦略や事業戦略に活かすことで、知的財産を重視した経営を実践しています。事業のリスクを回避し、事業の競争優位性を確保するため、知的財産情報をはじめとする各種のデータ分析に基づいて、上記1.2.の戦略の策定を支援しています。また、知的財産部門は、技術開発、製品企画の段階から、包括的な知的財産情報分析の結果やマーケティング戦略などに基づいて、差別化された商品・サービスを展開するために、どのような知的財産権を取得すべきかを事業部に助言するとともに、知的財産ポートフォリオの戦略的な構築を支援しています。これにより、第三者による差別化技術の模倣を防止し、デザインに関してもその独自性と機能性を保護して、競争優位性を保つことが可能となります。

知的財産のガバナンス体制

知的財産部門は、各事業部門の知的財産戦略と事業部横断的な知的財産戦略の策定を支援しています。また、知的財産部門は、事業部の知的財産戦略の進捗状況を年1回、執行役会および取締役会に報告していますが、各事業部も必要に応じて、各々の知的財産戦略の進捗状況を執行役会、または取締役会に報告しています。これを受け、取締役会は、知的財産部門と事業部に対して助言を行うなど、監督機能を果たしています。知的財産への継続的な投資は、魅力ある差別化された製品・サービス開発のための重要な基盤であり、事業の持続的な成長と競争優位性の実現に不可欠なものであるとの考えのもと、これを実行するにあたり、取締役会・執行役間の緊密な連携を図っています。LIXILでは、2023年3月現在、日本や欧米を中心にグローバルで約2万件の知的財産ポートフォリオ(出願中の権利を含む)を保有していますが、知的財産部門は、グローバル共通の知的財産管理プラットフォームの導入を含むガバナンス体制を構築し、知的財産権の強化と活用について、研究開発部門及び事業部門と緊密に連携しています。

知財のガバナンス体制図

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