CR委員長メッセージ

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Jin Song Montesano

取締役 執行役専務
人事・総務・広報・IR・渉外・
コーポレートレスポンシビリティ担当 兼
Chief People Officer
ジン・ソン・モンテサーノ

LIXILでは、当社の存在意義である「世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現」に向けて、コーポレート・レスポンシビリティ(CR)を価値創造プロセスの重要な要素として位置付け、事業活動を通じてCR戦略を推進しています。CRを事業戦略に織り込む当社の方針は、ESG投資の獲得に必要なだけでなく、主に2つのメリットにつながっています。まずは従業員が当社の一員であることに誇りを持ち、モチベーションを高めていること。そして、もう一方は持続可能な開発目標(SDGs)を共通言語として、お客さまや取引先とコラボレーションする機会が増えたことです。

光栄なことに、LIXILはサステナビリティ分野での先進的企業として世界的な評価を受けており、Dow Jones Sustainability Index (DJSI)のWorld Indexに2年連続で、Asia Pacific Indexに4年連続で選定されています。また、FTSE4 Good IndexおよびMSCI日本株女性活躍指数(WIN)の構成銘柄にも継続して選ばれています。

重要課題の見直し

当社の経営資源を最大限有効に活用し、存在意義を実現するために、2021年3月期にサステナビリティの最新動向や社会・事業環境の変化を踏まえて重要課題をあらためて見直し、LIXILとステークホルダーにとって最も重要な20の課題を特定しました。この見直しの過程で、当社の専門性を活かし、大きく貢献できる優先課題が、CR戦略で掲げる3つの優先取り組み分野に網羅されていることを改めて確認しました。

グローバルな衛生課題の解決

LIXILが掲げる「2025年までに1億人の衛生環境を改善する」という目標は、ソーシャルビジネス「SATO」の目覚ましい発展に伴い、達成に向けて順調に進捗しています。LIXILならではのこの事業を通して、革新的な衛生ソリューションを最も必要とする人びとに届けられていること、そしてこれまでの成果を大変誇りに思います。

新型コロナウイルス感染症拡大の予防策として手洗いの重要性が増す中、2020年に水道がない家庭向けの安価な手洗いステーション「SATO Tap」を開発し、インドとタンザニアで生産開始しました。SATO Tapは、様々な大きさや形状のペットボトルをタンクとして使い、無駄なく最小限の量の水を安定して放出するシンプルで機能的な設計を実現。効果的な手洗いを推進するイノベーションとして米メディアTIMEに2020年の発明品100選の一つに選ばれました。

現在SATOでは、世界各地のニーズや課題に対応した製品ラインナップの拡充に注力しています。また、国際連合児童基金(ユニセフ)、米国国際開発庁(USAID)、国際協力機構(JICA)、Toilet Board Coalition、および現地のNGOなどのパートナーと連携して、世界各地において、衛生商品やサービス提供のためのエコシステムの強化や、衛生環境の改善の重要性を伝えるため、政策提言を通じたアドボカシー活動を推進しています。また、欧州で展開したGROHEブランド製品のCRMキャンペーンや国内のLIXILオーナーズクラブのキャンペーンを通して、UNICEFとの「MAKE A SPLASH!」パートナーシップのエンドユーザーの認知度を高め、活動の輪を広げています。

水の保全と環境保護

世界のエネルギー、水、および天然資源の消費量が年々増加する中、世界各国は2050年の二酸化炭素排出実質ゼロの実現に向けて気候変動対策を加速させることを表明しました。

企業として、環境保護に貢献する責務を認識し、実行することは極めて重要です。LIXILでは、2050年のあるべき姿を見据えた「環境ビジョン2050」を策定し、2050年までに、環境分野のリーディングカンパニーを目指し、事業プロセスと製品・サービスを通じてCO₂の排出を実質ゼロにし、水の恩恵と限りある資源を次世代につなぎます。この実現に向けて、気候変動対策、水の持続可能性、および資源循環という3つの分野に注力し、その活動を通してバリューチェーン全体の環境負荷を低減するとともに、製品・サービスの環境価値の向上を図ります。

資源循環型社会の実現に貢献する取り組みの一環として、2020年10月に全世界共通の「LIXILプラスチック行動宣言」を策定しました。この宣言は、イノベーションを通じたプラスチックを含む資源の責任ある利用をさらに前進させるもので、すべての事業プロセスや製品・サービスにおいて、使い捨てプラスチックの使用量削減やリサイクルの推進はもとより、再生可能な素材の研究開発や代替素材の活用を加速させていきます。

さらに、「環境ビジョン2050」の実現のため、CO2排出量の削減など、2030年に向けた環境目標を策定しており、TCFDの枠組みを用い、気候変動に関する進捗状況のモニタリングや情報開示、リスク・機会分析、戦略策定、事業計画への反映を実施していきます。

多様性の尊重

先進的な製品を開発・提供するLIXILの顧客層は、実社会と同様に多岐に渡ります。当社が持続的成長を遂げ、存在意義を実現していくためには、エンドユーザーに寄り添い、多様なニーズをいち早く捉えながらイノベーションを推進できる、真に顧客志向の組織へと転換する必要があります。新しいアイディアや技術を生み出していくには、多様な従業員の潜在能力を引き出すことができるようなインクルーシブな環境の構築が重要であるため、D&Iを組織文化の変革の中核に据えています。

LIXILでは、従業員が働きがいを感じて活躍できる企業文化を醸成するために変革を加速化しています。インクルージョンの実現が私たちの目標であり、それによって持続的な多様性につながるという考えのもと、今年3月にD&I戦略と2030年までに達成を目指す戦略目標を更新しました。全社共通のD&I戦略に基づき、よりインクルーシブな企業文化の醸成に向けた進捗をはかる指標として、まずはジェンダー不均衡の是正に取り組みます。新たに設定した目標では2030年までに、取締役および執行役の50%を女性とし、LIXIL全体での女性管理職比率30%の達成を目指します。また、日本の新卒採用における男女比均衡の維持など、地域の優先事項を反映した具体的な目標も設定しています。

コロナ禍において、世界中の人びとが困難に直面する現在の状況においてこそ、LIXILが企業としての存在意義を追求し、貢献できることがあると確信しています。昨年、社会が世界的パンデミックに直面する中、従業員が迅速に結束し、地域支援に取り組んだことを誇りに思います。

私たちが世界中のすべての人びとの豊かで快適な住まいの実現に貢献できるのは、意欲的に取り組んでいる従業員の力によるものです。まだまだ道半ばであり、社会に貢献するためにこれから私たちができること、すべき取り組みは多くあります。これまで着実に成果をあげてきていることを嬉しく思い、今後も、戦略的かつ機動的な取り組みを通じて、CR戦略の推進に注力してまいります。

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