CR委員長メッセージ

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Jin Song Montesano

取締役 執行役専務
人事・総務・広報・IR・渉外・
コーポレートレスポンシビリティ担当 兼
Chief People Officer
Jin Song Montesano

LIXILはこの一年、コーポレート・レスポンシビリティ(CR)活動において、確固たる進展を遂げてまいりました。「世界中の誰もが願う豊かで快適な住まいの実現」を目指し、事業活動を通じて社会の向上に貢献するというLIXILの姿勢が、従業員の会社に対する誇りの醸成や、ビジネスステークホルダーとの関係の深化につながっていることを目の当たりにし、大変嬉しく思います。こうした進展は、当社が持続的な成長を実現する上で極めて重要となると考えています。

当社のCR活動への取り組みは社外からも評価され続けており、2019年には、ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス(DJSIワールド)にも初選定されました。サステナビリティの分野におけるグローバル・リーダーとして評価されたことを光栄に思います。この評価をいただいたことで、取り組み成果をさらに向上させることへの思いをますます強くしております。CRの優先取り組み課題の進捗や事業を取り巻く環境の変化をふまえ、2020年3月期には、新しい目標を設定しました。

「グローバルな衛生課題の解決」に向けて、ソーシャルビジネス「SATO」では、これまで38ヵ国以上で延べ1,860万人の生活向上に貢献し、社外表彰を受賞してきました。わずか1年の間に、普及先を10ヶ国以上広げ、大きな成果を挙げています。「1億人の衛生環境を改善する」という当初目標の達成時期は2025年に延期しました。これまでの学びを活かし、新たな目標達成に向かって邁進しています。

SATOに加えて、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、SATOが進出している地域の家庭を対象に、低価格の手洗いソリューションとなる新製品「SATO Tap」の供給を2020年6月に開始しました。LIXILは、緊要なこのイノベーションを通じて迅速な手洗いの普及を目指しており、100万米ドルを拠出し、手洗い設備が必要なコミュニティにこの製品を届けるよう、ユニセフなど官民両方のパートナーとともに積極的に取り組んでいます。

開発途上国における衛生環境の改善に向けて、国連児童基金(UNICEF)とパートナーシップ「Make a Splash!」を開始して以降、ケニア、エチオピア、およびタンザニアでは現地政府と協働し、アドボカシーの加速や持続可能な衛生環境改善に向けたトイレ市場の形成を推進しています。2020年3月期には、日本を対象とした従業員の寄付プログラム「Team Splash!」で集まった約1,000万円、3年目を迎えたCRM(コーズリレーテッドマーケティング)「みんなにトイレをプロジェクト」からの約2,600万円もこの活動の支援にあてています。現在では、LIXILの衛生課題の解決に向けた活動を支援するべく、世界中で同様のキャンペーンが動いています。

LIXILは、様々な機関との連携強化を進めており、昨年、独立行政法人国際協力機構(JICA)と開発途上国における衛生環境の改善や安全な水の確保に向けた連携協力覚書を締結しました。従業員、エンドユーザーそしてビジネスパートナーを含め、世界各地でグローバルな衛生課題を解決するための支援・協力の輪を広げていきます。

「水の保全と環境保護」の分野に関しては、2016年に設定したCO2排出量の削減目標を2年前倒しで達成しています。新たに策定された「環境ビジョン2050」では2050年までに事業活動および製品・サービスによって排出されるCO2の実質ゼロを目指すほか、循環型経済の実現を目指すことで、未来世代のために水や限りある資源の保全において業界をリードしていきます。

ドイツではGROHEが、2019年7月に全生産工場の電力をグリーン電力に切り替え、ドイツサステナビリティアワードの受賞に繋がりました。日本では、環境省の「TCFDに沿った気候リスク・機会のシナリオ分析支援事業」に参加し、LIXIL Housing Technologyのサッシ・ドアおよびZEHを事例としました。また、引き続き事業所の100%再生可能エネルギーへの移行を進めるほか、プラスチックに関わる社会課題の顕在化を受け、LIXILとしての方向性を示す「LIXILプラスチック行動宣言」を策定しました。持続可能な水資源の利用と管理が評価され、LIXILはCDPの最高評価「ウォーターAリスト企業」に2年連続で認定されています。

「多様性の尊重」に関しては、2030年までにすべての製品・サービスをLIXILユニバーサルデザインコンセプトに基づいたものにするという目標を掲げています。災害時には最小限の水で普段と同じように使用できる「レジリエンストイレ」が「ジャパン・レジリエンス・アワード(強靭化対象)2019」の最優秀レジリエンス賞(企業・産業部門)を受賞しました。また、ジェンダーの違い、障がいの有無、年齢などの枠を超えたインクルーシブな設計の「オルタナティブ・トイレ」を新本社ビルに設置しています。

※日本国内で提供する製品・サービスが対象

2020年9月には、既存の玄関ドアをリモコンひとつで鍵の施錠・解錠から自動開閉まで可能にする後付け電動オープナーシステム「DOAC」の販売を開始し、車いすユーザーやご高齢の方の快適な出入りや来客対応をサポートしています。さらに、AIの画像認識技術を活用した高齢者の健康チェックサービス「トイレからのお便り」の研究を発表するなど、LIXILでは引き続き、より多くの人びとにとって暮らしやすい住まいの実現に向けた製品・サービスの提供に取り組んで行きます。

社内では、インクルージョン文化の醸成を目的に、2019年9月に全世界共通のダイバーシティ&インクルージョン(D&I)戦略・施策を推進する「グローバルD&I部」を新設しました。その後、各部門の最高責任者および執行役により具体的なD&I施策が確実に推進されるよう、瀬戸CEOを委員長とするD&I委員会を設置しています。また、世界中で社会的不公平や人種問題に関する抗議運動が広まる中、差別や不平等のない社会へむけた当社の取り組みを示す「D&Iステートメント」を発表しました。このような取り組みが総合的に評価され、本年も「なでしこ銘柄」に選定された他、「PRIDE指標」の「ゴールド」を3年連続で受賞しています。

より持続可能な社会に向けたLIXILの取り組みに対する従業員の誇りは、全社的に感じられ、広がり続けています。2020年3月期には、従業員が自主性を持って地域社会への貢献を目的に全社で毎年実施している「LIXILコミュニティデー」への従業員の参加者数が33ヵ国で約15,000人と、前年の2倍に増加しました。

前例のないCOVID-19の感染拡大は、従業員の健康と安全を第一にどのように事業を継続すべきか、そして、いかに事業を通して社会に貢献することができるのか考えさせられる機会となりました。全世界の人びとが、これまでの暮らし方や働き方からの転換を余儀なくされましたが、「ニューノーマル」において、豊かで快適な住まいと暮らしを実現するという当社の果たす役割は、ますます重要になってきていると感じています。

LIXILの従業員は、こうした変化にすばやく適応し、ベトナムでは病院の待合エリアに手洗い場を設置したり、北米やメキシコではフェイスマスクを製造し医療従事者に配布したりするなど、コミュニティを支援する数多くの活動を自発的に企画・展開しました。中には、最前線で働く医療従事者が病院の外でシャワーを浴びて休憩できるよう、キャンピングカーを地元の病院に貸した従業員もいました。そして、従業員同士がそれぞれの取り組みを社内SNSで共有することで地域を超えたコラボレーションを促進し、新たな活動を生み出しています。従業員主導のこういった活動が、新たなイノベーションの原動力となり、また、国や地域を超えた従業員同士の連携が、当社をより強く、活力に満ちた会社にすると確信しています。

大きな変化が求められる中で、私たちは引き続き、従業員、お客様、国際機関やパートナー企業など、様々なステークホルダーとの連携を通じて、社会が直面する課題に率先して取り組んでまいります。

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