水の保全と環境保護

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2023年3月期実績

Scope1,2のCO2排出量(2019年3月期比)
29.9%削減
再生可能エネルギー比率
25.0%
事業所における水の使用効率
16.0%向上
廃棄物などのリサイクル率(全社)
88.1%
活動の歩みとロードマップ
SDGsアイコン(ゴール3、6、7、11、12、13、14、15)

背景

2015年に採択されたパリ協定では、産業革命以前からの世界の平均気温の上昇を2℃未満に抑え、1.5℃未満を目指すことが合意されました。その実現のためには、2050年までにCO2などの温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることが求められています。現状では、世界のエネルギー関連CO2排出量の約28%は建物によるもので、住宅部門が17%を占めています※1

また、人口増加などに伴い、家庭における水使用量は1960年から6倍に増加しています※2。水資源の枯渇で2050年には世界の40%以上の人が必要な量の水を使えなくなると予想され※3、安全に管理された飲料水にアクセスできない人※4は2022年時点で20億人に上ります※5

世界の資源消費量は、2050年までに現在の2倍以上となると言われています※6。この状況を変えるために、資源を新たに採掘して大量に生産し、大量に廃棄する一方通行の経済から、資源循環型の経済(サーキュラー・エコノミー)への移行が進んでいます。

※1 国連環境計画(UNEP)(英語・別画面が開きます) >
※2 世界資源研究所(World Resource Institute)(英語・別画面が開きます) >
※3 Indiatimes(英語・別画面が開きます) >

※4 安全に管理された飲料水とは、WHOとユニセフの共同監査プログラム(JMP)による報告書「家庭の水と衛生の前進2000-2022」に定義されており、以下の全てを満たす飲料水を指します。
  • ・自宅にある
  • ・必要なときに入手できる
  • ・排泄物や化学物質によって汚染されていない
  • ・改善された水源(以下を含む)から得られる飲み水
  • ・水道水
    • - 住居、庭、敷地内の水道水(近隣への配管を含む)
    • - 公共の水道またはスタンドパイプ
  • ・水道水以外の水
    • - ボーリング孔または管井戸
    • - 保全された井戸や泉
    • - 雨水
    • - ボトル入り飲料水や小袋入り飲料水などの梱包された水
    • - 宅配水(タンクローリー、小型カート、タンク、ドラム缶を含む)
    • - ウォーター・キオスク

※5 「家庭の水と衛生の前進2000-2022」(WHO・ユニセフ共同監査プログラム(JMP)による報告書)(英語・別画面が開きます) >
※6 UNEP(英語・別画面が開きます) >

戦略

重要課題

LIXILは「世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現」というPurpose(存在意義)の実現に向け、インパクト戦略の優先取り組み分野の一つに「水の保全と環境保護」を定めるとともに、以下の6つを重要課題に位置付けています。

気候変動対策を通じた緩和と適応
水の持続可能性の追求
資源の循環利用の促進
製品ライフサイクルを通じた環境への影響
環境マネジメント
生物多様性の保全

LIXILが取り組む重要課題 >

LIXIL環境ビジョン2050

2020年3月期に策定した「LIXIL環境ビジョン2050」では、「Zero Carbon and Circular Living(CO2ゼロと循環型の暮らし)」を掲げ、上記重要課題のうち「気候変動対策を通じた緩和と適応」「水の持続可能性を追求」「資源の循環利用を促進」をビジョン実現に向けた重点領域に定めています。重点領域を推進するための共通の基盤として、製品ライフサイクルを通じた環境負荷の低減、および全社の環境マネジメント強化、各領域に深く関連する生物多様性の保全にも取り組んでいます。2050年までに、環境分野のリーディングカンパニーを目指し、事業プロセスと製品・サービスを通じてCO2の排出を実質ゼロにし、水の恩恵と限りある資源を次世代につなぎます。

ZERO CARBON AND CIRCULAR LIVINGロゴ

環境ビジョンの実現に向けて、事業活動や自社製品の使用に伴う環境負荷を最小限にするという企業責任を果たすだけでなく、あらゆるステークホルダーを巻き込みながら環境分野における新しい価値を創造し、地球環境や社会に対してより一層大きなインパクトを生み出すための取り組みを推進しています。

実現に向けた3つの重点領域

実現に向けた3つの重点領域

3つの重点領域

気候変動対策を通じた緩和と適応

LIXILでは、事業プロセスにおける環境負荷低減に努めると同時に、環境に配慮した製品やサービスの提供を通じて2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指します。さらに、LIXILの事業プロセスおよび製品やサービスが直接的に排出するCO2排出量にとどまらず、社会全体におけるCO2排出量の削減に貢献することが重要と捉えています。

また、気候変動の影響による雨量の増加、大型台風などの自然災害、気温上昇などによる被害の軽減に貢献する製品・サービスを提供し、気候変動への適応策を推進します。

水の持続可能性を追求

LIXILは、トイレやキッチン、バスルーム、水栓などを提供する水まわり製品のリーディングカンパニーとして、人びとが水の恩恵を最大限に活用できるよう、グローバルな水の持続可能性を追求していきます。

その実現に向け、事業プロセスにおける水使用効率の向上や特に水不足拠点における水使用量の削減、節水関連の製品・サービスによる水使用削減への貢献などを通じて、責任ある水の使用を推進します。また、安全で衛生的な水と、水へのアクセス向上に向けて政府や公共部門などと取り組み、水道水へのアクセスがある地域においては、浄水技術により安全性を高めたおいしい水を提供します。これらの取り組みを通じて、水の環境価値を創造します。

資源の循環利用を促進

LIXILは、金属、木材、樹脂、セラミックなど、様々な原材料を使用しています。原材料の調達から製造、使用・廃棄までの製品ライフサイクル全体において、原材料の持続可能な利用や資源循環の取り組みを全社で推進しています。リサイクル素材の活用や再利用に配慮した設計といった循環型のものづくりを推進するほか、「LIXILプラスチック行動宣言」のもと、プラスチックの使用量削減や循環利用、代替素材の開発などに取り組んでいます。

LIXILプラスチック行動宣言(別画面が開きます)PDF:1.3MB >

生物多様性の保全

LIXILは、上記3つの重点領域に共通する基盤として、またLIXILの持続可能な成長のために対処すべき課題の一つとして、2023年3月期に「生物多様性の保全」を重要課題に追加しました。LIXILの事業活動は、水や鉱物などの資源に依存することで事業活動を成立させている一方で、気候変動や資源枯渇、水質汚染や大気汚染などの影響を与えています。これらの影響を把握し、3つの重点領域における取り組みを通じて対応していくことで、生物多様性の保全に貢献する活動を継続していきます。調達活動においては「グリーン調達ガイドライン」に生物多様性の保全に向けた方針を定め、サプライヤーへも協力依頼をしています。

サプライチェーンマネジメント >

戦略アプローチと中期目標

環境ビジョン2050の実現に向けた取り組みをさらに加速させるため、2023年3月期に戦略の更新を行いました。LIXILが企業責任を果たすだけでなく、新しい価値を創造し、インパクトを最大化することを目指して、3つの重点領域において「事業プロセス」「自社バリューチェーン」「インパクトの拡大」のフェーズに分類し、これらに対する包括的な戦略アプローチや中期目標を定めました。3つのフェーズにおいて、インパクトを最大化するための取り組みを着実に進めていくことで、環境リスクを低減すると同時に、事業機会を捉え、持続可能な成長につなげていきます。

環境ビジョン2050と中期目標

環境ビジョン2050と中期目標

ビジョン実現に向けた3つのフェーズ

ビジョン実現に向けた3つのフェーズ
  1. 事業プロセス:
    LIXILの生産拠点、事業所、営業拠点における活動を指します。関連するステークホルダーは、従業員や周辺地域の住民などです。
  2. 自社バリューチェーン:
    製品の原材料の採掘から加工などの「購入した製品やサービスなどに関わる活動」から、輸送時の梱包、物流、エンドユーザーによる製品使用などの「販売する製品やサービスに関わる活動」まで、一連のバリューチェーンの中で社外のステークホルダーとの接点において発生するプロセスなどを指します。主なステークホルダーは、ビジネスパートナーやエンドユーザーです。
  3. インパクトの拡大:
    自社製品の製造や使用に伴うバリューチェーンを越え、環境問題に対するソリューションを生み出し、既存事業の枠にとどまらず地球環境の未来に貢献することを示しています。
  4. 各重点領域の目標および実績は、次のとおりです。

    領域 フェーズ 中期目標 2023年3月期実績
    気候変動対策を
    通じた緩和と適応
    事業プロセス Scope1,2におけるCO2排出量を2031年3月期までに50.4%削減する(2019年3月期比) 29.9%削減
    自社バリューチェーン Scope3におけるCO2排出量を2031年3月期までに30%削減する(2019年3月期比) 15.2%削減※1
    インパクトの拡大 節湯水栓・節水型トイレの販売構成比を2031年3月期までに100%にする(日本) 節湯水栓 92.2%※1
    節水型トイレ 99.2%※2
    新築戸建住宅向け高性能窓の販売構成比を2026年3月期までに100%にする(日本) 90%
    水の持続可能性を追求 事業プロセス 事業所における水の使用効率を2031年3月期までに20%改善する(2019年3月期比) 16.0%向上
    水不足拠点の水使用量を削減する 水の持続可能性の追求 > 事業プロセスにおける取り組み > 水リスク拠点における取り組み
    自社バリューチェーン 節湯水栓・節水型トイレの普及により、2025年3月期までに年間20億m3の水使用量削減に貢献する 15億m3
    インパクトの拡大 水の安全性を高め、よりおいしい水を提供する 水の持続可能性の追求 > インパクトの拡大
    資源の循環利用を促進 事業プロセス 事業所から排出される廃棄物などのリサイクル率を、2026年3月期までに90%にする 全社 88.1%
    日本 97.3%
    欧州 99.0%
    アジア(日本を除く) 96.8%
    北米 69.0%
    自社バリューチェーン アルミ形材のリサイクル材使用比率を、2031年3月期までに100%にする 74%※3
    製品へ投入するリサイクル材・再生可能素材の使用比率を高める 資源の循環利用の促進 > 自社バリューチェーンにおける取り組み > 新規投入資源の最小化
    エンドユーザーが廃棄する石油由来プラスチックを使用した梱包資材をなくし、海洋分解性を有した素材に代替する 資源の循環利用の促進 > 自社バリューチェーンにおける取り組み > 新規投入資源の最小化
    資源効率性の高い製品を拡充する 資源の循環利用の促進 > 自社バリューチェーンにおける取り組み > 資源効率性の高い製品の拡充
    製品の回収と再製品化の循環システムを創出する 資源の循環利用の促進 > 自社バリューチェーンにおける取り組み > 製品から製品への循環システムの構築
    インパクトの拡大 新素材の展開により、再資源化が困難な廃プラスチックを削減する 資源の循環利用の促進 > インパクトの拡大

    ※1 湯はり専用や全身浴など、節湯水栓の用途に該当しない製品を除く

    ※2 一部の集合住宅向けを除く

    ※3 6063材

    また、各重点領域における取り組みの詳細は、以下をご参照ください。

    気候変動対策を通じた緩和と適応 >
    水の持続可能性を追求 >
    資源の循環利用を促進 >

環境マネジメント

「LIXIL環境ビジョン2050」が追求する環境リスクの低減と社会に提供する環境価値を拡大するため、全社の環境マネジメントを強化しています。

体制

LIXILは、サステナビリティ関連の取り組み全体を取締役会が監督するガバナンス体制を構築し、執行役会から任命を受けたChief Environmental Impact Officer(CEIO)が委員長を務める環境戦略委員会を設置しています。環境戦略委員会を四半期に1回以上開催し、環境ガバナンスに関わる方針や規程の制定、気候変動から生じるリスクや機会を含む環境課題に対する施策の審議と決定、全社の環境目標管理とモニタリングなど、環境戦略の構築と実行を実施しています。

協議・決議された内容は、インパクト戦略委員会を通じて四半期ごとに執行役会に報告されています。執行役会は、環境課題を含めた重要課題に対する目標や実行計画について協議・承認し、取締役会は、それらに対する進捗状況を半期ごとに報告を受け、議論・監督を行っています。また、ガバナンス委員会でも気候変動を含めた環境課題に関する報告と協議が行われるなど、気候変動問題への対応を重要な課題として位置付けています。

2023年3月期の環境戦略委員会では、「水の持続可能性を追求」「資源の循環利用を促進」の領域における中期目標を策定するとともに、環境ビジョン2050の実現に向けた包括的なアプローチを定めるなど、戦略の見直しを討議・決定しました。併せて「生物多様性の保全」を、3つの重点領域に共通する基盤として、またLIXILの持続可能な成長のために対処すべき課題の一つとして重要課題に追加しました。

環境マネジメント体制

環境マネジメント体制

LIXIL環境方針

LIXILは、人びとの暮らしが地球と調和することを願い、住まいづくりのあらゆるプロセスにおいて、持続可能な社会に向けた主体的な取り組みを続けていきます。そのための指針として、全従業員および取締役・執行役を含む役員すべてを対象とした「LIXIL 環境方針」を策定しています。

  • 環境マネジメントシステムの継続的改善
  • コンプライアンスの徹底
  • 環境に配慮した製品及びサービスの開発と普及
  • 事業プロセスにおける環境負荷の低減
  • ステークホルダーエンゲージメントの推進

LIXIL環境方針(別画面が開きます) PDF:86KB >

環境監査

内部監査

全生産工場と日本の非生産拠点やグループ会社を対象とする内部監査体制を運用しています。生産工場では、ISO14001に基づく内部監査を実施し、環境マネジメントシステムの有効性や遵法性についてチェックしています。有害廃棄物や大気汚染物質などについても、ISO14001に基づく管理システムのもと管理を行っています。非生産拠点やグループ事業会社では、ISOを基にした独自の環境マネジメントシステムに基づく内部監査を実施しており、対象を順次拡大しています。内部監査で指摘があった事項については、フォローを行い改善の実施を確認することで、マネジメントシステムの効果的な運用につなげています。また、2018年3月期より、本社の環境部門が、各事業部門の環境責任者に対する内部監査を行っています。

環境関連データ >

ISO14001の取得状況

グループ会社を含めた環境ガバナンス強化のため、対象となる生産拠点でISO14001の認証取得を推進しています。2023年3月期は、対象拠点のうち94.7%が認証を取得しています。

ISO14001認証取得拠点(2023年3月期)
ISO14001認証取得拠点(2023年3月期)

ISO取得拠点リスト(別画面が開きます) PDF:264KB >

環境教育

全従業員に対して環境活動の周知浸透に取り組んでいます。新入社員に対する環境教育のほか、毎年6月にはeラーニングでの環境教育コンテンツの配信、各事業所の環境マネジメントシステム(EMS)推進責任者や担当者には、EMS運用教育を行っています。また、取締役・執行役などの経営層に対して月次で配信している環境に関する最新動向レポートを、2023年3月期からは社内SNSを通じて全従業員にも配信を行っています。その他、2023年3月期は、「脱炭素社会に向けてLIXILが果たすべき役割について」「Scope3の削減に向けて」をテーマとして社外有識者を迎えたセミナーをそれぞれ実施しました。

社内評価制度

執行役の報酬制度においては、環境、社会、ガバナンス(ESG)要素を含む、中長期的な企業価値の向上への貢献を促進する株価連動報酬を導入しています。ESGの観点を含む中長期的な企業価値向上が期待される役員については、報酬委員会の審議の上、株価連動報酬の総報酬に対する割合を高めに設定しています。

推進体制 >

LIXILでは、全従業員を対象に、LIXIL Playbookの優先課題に貢献した取り組みを評価する表彰制度「LIXIL AWARDS」を年に1回実施しています。2023年6月に開催されたLIXIL AWARDSでは794のプロジェクトが受賞し、受賞者4,200人に報奨金が授与されました。受賞したプロジェクトにはCO2排出量削減やエネルギー効率の向上、環境配慮型の製造プロセス移行に向けた実用化検討など、環境分野の取組みが含まれます。

その他、国内の事業部門においては、環境課題解決に貢献した事業所や事業部門を表彰する制度を実施しています。LIXILの環境ビジョン達成に向けた製造拠点における環境負荷低減活動や、環境課題解決に貢献する製品・サービスの展開を推進した取り組みが毎年表彰されています。

製品ライフサイクルを通じた環境負荷の低減

LIXILは、世界150ヵ国以上で事業を展開し、毎日10億人に上る人びとがLIXILの製品を利用しています。原材料調達から製造、使用・廃棄までの製品ライフサイクル全体を通じた環境負荷の低減に取り組むことは、地球環境の保全を推進する上で必要不可欠です。「製品ライフサイクルを通じた環境への影響」を重要課題に定め、環境戦略委員会を基軸に全社の環境活動の一つとして取り組みを進めています。

環境配慮設計

製品環境アセスメント

LIXIL国内では、製品開発の各ステップで製品環境アセスメントを行い、環境に関わる法令の遵守に加え、製品のライフサイクルにおける「つくる」「つかう」「もどす」の3つのステージで、製品が環境に与える負荷を可能な限り低減する製品開発を進めています。

製品環境アセスメントのステップ

製品環境アセスメントのステップ

製品環境アセスメントの評価項目例

ステージ 配慮すべき項目 エコ製品特長
つくる 主要構成部材・部品の削減 省資源
再生材料の使用による負荷削減 再生材使用
効率の良い組立・施行の考慮 省施行
合法性・持続可能性に配慮された木材の使用 合法伐採木材など
つかう 暮らしのエネルギー・水資源の削減 省エネ・節水
自然の力の利用・ゼロエネルギーでのパフォーマンス向上 創エネ・ゼロエネ
メンテナンス性・清掃性の考慮 防汚・簡易清掃
シックハウス対策への対応 F☆☆☆☆など
もどす 主要構成部材・部品のマテリアルリサイクル可否 リサイクル設計
主要構成部材・部品のリユース可否 リユース可能

※ F☆☆☆☆(Fフォースター)とは、ホルムアルデヒド発散等級における最上位等級区分

各地域におけるEPDの取得

EPD(Environmental Product Declaration)は、ISO14025 - タイプⅢ環境宣言 に基づき、製品のライフサイクルにおける環境影響(CO2排出量など)を定量的に算定し、第三者機関による検証を経て発行されるレポートです。製品における原材料調達から製造・使用・廃棄されるまでのインプット・アウトプットを積み上げて環境影響を定量化するLCA(ライフサイクルアセスメント)の算定結果の第三者認証となり、LIXILでも各地域でEPDの取得を進めています。

欧州では建物のCO2排出量の算定に関する規制化が進んでおり、GROHEブランドでは2023年3月期に18のグループ(774SKUを包含)でEPD(International EPD)を取得しました。国内では「エコリーフ環境ラベル」をビル用サッシ2製品と低炭素型アルミ形材「PremiAL」シリーズで取得しています。LIXILでは現在、GROHE、American Standard、LIXILブランド製品で合計56のEPDを取得しています(2023年5月現在)。

化学物質管理

LIXILは、事業のあらゆるプロセスにおいて、化学物質の適正な管理と、人の健康や環境に影響を及ぼす環境負荷物質の削減に取り組み、人びとの豊かで快適な住生活づくりや、環境汚染の解決に貢献していきます。

化学物質管理の考え方(別画面が開きます) PDF:184KB >

LIXIL国内では、製品に含まれる化学物質の適正な管理に取り組むため、Chief Environmental Impact Officer管掌のもと、コーポレート部門である環境・購買・品質部門とテクノロジー部門が連携した体制を設けています。海外の拠点や事業においても管理体制を設け、取り組みを進めています。これらの体制のもと、マネジメント基盤の整備やガバナンスのさらなる強化にも取り組み、コンプライアンスの維持・向上につなげています。

事業プロセスにおける化学物質管理

LIXILは、事業を行う国や地域の法令・指針(EU RoHS指令、REACH規制など)のほか、自社で定める化学物質管理に関する指針やガイドラインに基づき、製品含有化学物質の適正な管理を進めています。LIXIL国内では、製品への含有を禁止もしくは管理する物質とその取り扱いを規定した「LIXIL化学物質管理ランク指針」のもと、購買部門と連携し、取引先に対してLIXIL化学物質管理ランク指針に定めている化学物質の不使用や含有情報の入手を求めています。また、国内や海外の法規制動向について定期的に情報収集を行いながら、必要に応じてランク指針の内容を見直すとともに、関係部署へ最新法規制動向の発信をし、理解促進に努めています。

LIXIL国内では、製品含有化学物質管理のための専用システムを導入し、取引先からの製品含有化学物質情報の収集や社内データ蓄積、お客さまへの情報提供など、適正な情報管理に努めています。

LIXIL化学物質管理ランク指針(別画面が開きます) PDF:1.0MB >

化学物質管理のフロー

化学物質管理のフロー

化学物質情報管理システム

化学物質情報管理システム

また、GROHEでは、製品への含有が禁止されている、もしくは管理が必要な物質について法令の基準を遵守していることを証明する「GROHE Sustainability Position Paper」をウェブサイト上で公開し、お客さまやステークホルダーにも開示しています。

環境負荷物質の削減への取り組み

新製品の開発においては、社会からの削減要請が強い製品から優先的に、原材料・資材に含まれる環境負荷物質の削減に取り組んでいます。既存製品についても、取引先との協働のもと、環境負荷物質の代替を進めていきます。

環境コミュニケーション

LIXILは、気候変動を始めとした環境課題の解決に向けて国内外のイニシアティブや業界団体への参加を通じた政策提言やアドボカシー活動、ステークホルダーに向けた情報開示を継続しています。

国内外のイニシアティブへの参加

LIXILは、環境保護へのコミットメントを表明するとともに、産業全体として課題解決に貢献するため、国内外のイニシアティブに参加し、取り組みを推進しています。

  • 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD):
    気候変動関連のリスクおよび機会に関する情報開示を推進するイニシアティブ。2019年3月に賛同を表明。

    気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)(英語・別画面が開きます)>

  • RE100 :
    事業で使用する電力の100%再生可能エネルギー化を目指す国際的な企業イニシアティブ。2019年10月より参加。

    RE100(英語・別画面が開きます)>

  • Science Based Targets initiative(SBTi):
    パリ協定が求める水準と整合した、科学的根拠に基づく温室効果ガス排出削減目標の達成を推進するイニシアティブ。LIXILのCO2排出削減目標は、2017年11月に認定され、2023年3月に最新の1.5℃水準で更新された。

    Science Based Targets initiative(SBTi)(英語・別画面が開きます)>

  • 日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP):
    持続可能な脱炭素社会を目指す日本企業のグループ。脱炭素に向けた経営の実践や企業間連携、日本政府への提言を行う。2014年9月より参加。

    日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)(別画面が開きます)>

  • 気候変動イニシアティブ(Japan Climate Initiative):
    脱炭素社会の実現を目指す企業、自治体、NGOなど国家政府以外の多様な主体によるネットワーク。2018年7月より参加。2023年4月、再生可能エネルギーの導入加速と実効性の高いカーボンプライシングの早期導入を政府に求めるメッセージに賛同表明。

    気候変動イニシアティブ(Japan Climate Initiative)(別画面が開きます)>

  • GXリーグ:
    2050年カーボンニュートラルの実現に向け、官民が連携してルール形成などについて議論を行うことを目的とする、経済産業省主導による日本の団体。2022年3月より参加。あわせて、ルール設計段階から官民で議論を行い、日本企業の気候変動対策への貢献が適切に評価される仕組みの構築を目指す「GX経営促進WG」に参加。

    GXリーグ(別画面が開きます)>

  • 自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD):
    自然資本や生物多様性に関するリスクおよび機会に関する情報開示を推進するイニシアティブ。TNFDが2023年9月に公表した開示提言(ver. 01)に賛同し、同年12月にTNFDフォーラム※1に参画、2024年1月には「TNFD Early Adopter※2」として登録し、2024年度の自然関連財務情報を2025年度に開示することを表明しました。

    ※1 TNFDの議論をサポートするステークホルダーの集合体

    ※2 TNFDが公表した提言沿ってFYE 2024あるいはFYE 2025年に開示の意向がある組織として、TNFDのウェブサイトで登録を行った企業・団体

    自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)(英語・別画面が開きます)>

環境活動に関する情報開示

ステークホルダーから長期的な信頼を獲得するため、迅速で透明性の高い情報開示を推進しています。

CDPの回答による情報開示および評価

環境分野において重要なグローバルな情報管理システム調査であるCDP(Carbon Disclosure Project)の回答を通して、環境活動に関する詳細な情報開示を推進しています。

LIXILは、CDP気候変動の分野で初の最高評価となる「Aリスト企業」に選定され、水資源管理に関する「CDP水セキュリティ2023」ではBの評価を獲得しました。

CDP 評価 2023 >

CDP気候変動の分野で最高評価となる「Aリスト企業」のロゴ

2020年から2022年まで、サプライチェーン全体での温室効果ガス排出量削減への取り組みを評価する「サプライヤー・エンゲージメント評価」で最高評価の「リーダー・ボード」に3年連続で選出されました。

「CDPサプライヤー・エンゲージメント評価」で最高評価の「リーダー・ボード」のロゴ

気候変動財務情報タスクフォース(TCFD)提言に基づく情報開示

2019年3月にTCFDへの賛同を表明し、TCFDの開示推奨項目に基づいた情報開示を推進しています。

TCFDのロゴ

2020年3月期に、環境省の「令和元年度TCFDに沿った気候リスク・機会のシナリオ分析支援事業」のもと、一部の事業についてシナリオ分析を実施しました。2022年3月期は、さらに対象事業を拡大して、機会およびリスクの分析を行うとともにCO2排出削減に向けた野心的な目標を策定しました。また、これらの分析および対応策など詳細について情報開示したウェブページを、2022年6月に開設し2023年6月に更新しました。詳細は、下記をご覧ください。

環境関連データ >
環境課題に関する開示(TCFD提言への対応) >

社外からの評価・表彰

社外からの評価・表彰 >

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