LIXILは、世界中の誰もが描く住まいの夢を実現するために、日々の暮らしの課題を解決する先進的なトイレ、お風呂、キッチンなどの水まわり製品と窓、ドア、インテリア、エクステリアなどの建材製品を開発、提供しています。
事業プロセスと製品・サービスによる温室効果ガスの排出を実質ゼロにする目標に向け、全社で取り組みを推進しています。
LIXILは、環境ビジョンの実現に向け、環境に配慮した製品やサービスの提供を通じて2050年までにCO2排出量を実質ゼロにする目標を掲げて、取り組みを推進しています。LIXILの製品やサービスのライフサイクルにおけるCO2排出量は、9割以上が製品使用時に発生しています。
LIXILでは、住まいの断熱性能向上による暖冷房負荷の低減や、給湯エネルギーの削減、再生可能エネルギーを活用した製品・サービスの開発、IoTの活用などを通じて、気候変動の緩和に取り組んでいます。また、自然災害対策や室内熱中症予防などへのソリューションを提供し、気候変動の適応にも貢献しています。
2021年8月発売の樹脂窓「EW」(TOSTEM)は、世界トップクラスの断熱性能を備え、切り取った景色を飾る額縁のようなフレームがインテリアを美しく演出する樹脂窓です。熱を伝えにくい多層ホロー構造の樹脂フレームと先進のトリプルガラスが高い断熱性能を生み出し、熱の出入りを抑制して暖冷房のエネルギー消費量を減らし、CO2 排出量の削減に貢献します。
EW施工イメージ 多層ホロー構造
家庭のCO2排出量の24%は給湯から発生するため、お湯の節約はCO2 排出量の削減に大きく影響します。「エコアクアシャワー」(INAX)は、大判のシャワーヘッドと空気を含んだ大粒の水滴で浴び心地のよさを向上、さらに節湯性能も両立させました。また、ワンプッシュで吐水/止水の切替が簡単に操作でき、従来水量(10L/ 分)と比べて最大48%*の省エネ・節水効果を実現します。
気候変動の影響による温暖化や自然災害の多発など、暮らしを取り巻く環境は大きく変化しています。外付け日よけ「スタイルシェード」(TOSTEM)は、太陽の熱を窓の外側でカットし、室内の温度を最大3.5℃*抑制できるため、冷房エネルギー消費の削減とともに、室内熱中症予防につながります。
LIXILと東京電力エナジーパートナー株式会社が設立した「株式会社LIXIL TEPCOスマートパートナーズ(LTSP)」では、LIXILのZEH*建材を採用するお客さまを対象に太陽光発電システムを割賦販売し、同社が余剰売電収入を得る代わりに、毎月の割賦支払を実質ゼロにするとともに、電気代もお得になるサービス「建て得バリュー」を提供しています。
*住宅の高断熱化と高効率設備により、快適な室内環境と省エネを実現し、太陽光発電等によるエネルギー創出により、年間のエネルギー消費量がネットゼロとなる住宅
2021年からは「スマート蓄電システム」を活用したプラン「建て得でんち」を開始しました。指定のLIXIL製品が採用されたZEH仕様の住宅を新築するお客さま向けに、10年間の余剰電力収入の提供と引き換えに、蓄電および太陽光発電システムの初期費用が低減されるサービスです。
建て得バリュー (別画面が開きます) >
建て得でんち (別画面が開きます) >
近年、ネットショッピングなどの普及で宅配便の取り扱い量が増加し、再配達に伴う労働生産性低下やCO2排出量の増加が指摘されています。LIXILのIoT 宅配ボックス「スマート宅配ポスト」では、スマートフォンと宅配ポストが双方向につながることで、荷受けの通知や複数の荷物受け取りなどが可能になりました。2019年に東京都内100世帯で行った実証実験では、再配達率が41.7%から14.9%*に低下し、CO2 排出量の削減効果が確認されています。
LIXILは、環境ビジョンの実現に向け、事業プロセスにおけるCO2排出量の実質ゼロに向けた取り組みを、グループ全体で推進しています。工場やオフィスでの徹底した省エネ活動や、エネルギー効率化に向けた技術開発の推進、再生可能エネルギーの利活用などに取り組んでいます。
生産工程における課題の抽出や設備の見直しなど、拠点ごとの改善活動を通して、エネルギーの効率化に取り組んでいます。小矢部工場では、アルミの表面処理工程で使用する冷凍機の温度と外気温の関係を可視化して、冬季は外気の活用によって冷凍機の停止もしくは負荷を下げて稼働することで、年間約494トンのCO2排出削減を実現しています。
上野緑工場では、生産活動に使用する蒸気インフラ設備のロスを診断し、蒸気の効率化や設備のエコ替え実施により、年間約379トンのCO2排出を削減しました。また日本の工場および物流センターでは、照明のLED化を推進し、95%以上で切り替えが完了しています。
2021年3月期より、東海地区で初めて他社と物流を共同利用する「コンテナラウンドユース」を開始しました。LIXILがエクステリア商材の輸入時に利用したコンテナを、その後他社が輸出用に利用することで、往復130㎞の空コンテナ輸送がなくなり、年間約40トンのCO2排出削減と輸送費の約2割削減につながっています。
また北海道物流センターでは、積載効率の悪化とドライバー不足の解消に向け、同業他社との共同運送に取り組み、協働企業との累積で走行距離を年間55,200㎞削減、CO2の荷主原単位を22.7%削減することにつながりました。
深谷物流センター
LIXILは、2050年までに製品・サービスを通じたCO2 排出量を実質ゼロにすることを目指して、再生可能エネルギーの活用を推進しています。その一環として、事業で使用する電力の再生可能エネルギー100%化を目指す企業イニシアティブ「RE100」に加盟しています。
これまでに、LIXIL Internationalのすべての水栓金具工場・物流センター(全10拠点)、日本国内の本社などの事業所4拠点、物流センター2拠点、営業36拠点の使用電力を、100%再生可能エネルギー由来の電力に切り替えました。その他の拠点でも、一部電力を再生可能エネルギーに切り替え、段階的に100%を目指すなど、順次切り替えを進めています。2021年3月期末時点の再生可能エネルギー比率は14.2%となり、CO2 排出量を年間62,000トン削減することができました。
その他、日本国内8 拠点では、未活用地を利用したメガソーラー発電施設を運営しており、年間発電量合計は約34,500MWhとなっています。
LIXILの知多工場(日本)