コミットメント

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トップメッセージ

取締役 代表執行役社長 兼 CEO瀬戸 欣哉

取締役 代表執行役社長 兼 CEO
瀬戸 欣哉

環境戦略を事業戦略に統合し、持続的成長の実現とインパクトの創出へ

LIXILは、事業活動を通じて、持続的成長と社会へのインパクト(良い影響)を創出することで、当社のPurpose(存在意義)である「世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現」を目指しています。加えて、包括的なインパクト戦略を通じて、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献するとともに、財務的な成果にとどまらない価値をステークホルダーに提供することで、事業の長期的な持続可能性を追求しています。また、多様なステークホルダーと協働しながら、複雑な社会課題の解決に貢献することは、価値創造の機会であるとともに、持続的な成長に向けた布石でもあります。

LIXILのインパクト戦略は、「グローバルな衛生課題の解決」「水の保全と環境保護」「多様性の尊重」の3つの優先取り組み分野を中心に構成されています。これらは、当社が事業を通じて大きなインパクトを与えることができる緊急性の高いグローバルな課題であり、ステークホルダーの価値創造を支援し、また、LIXILの持続可能な成長の基盤を築くものです。

LIXILではインパクト戦略とESG(環境・社会・ガバナンス)へのコミットメントに対し、包括的かつ統合的なアプローチで取り組み、事業戦略の不可欠な要素として取り入れ、推進していくことを目指しています。また、「LIXIL Playbook」の戦略的取り組みとして「環境戦略の事業戦略への統合」を追加し、「インパクト戦略」をその基盤の一部と位置づけています。

世界中でCO2排出削減が急務となる中、LIXILは独自の強みを活かして脱炭素に貢献すべく野心的な削減目標を設定しています。当社が提供する製品は、断熱性能に優れ、水資源の効率的な利用を可能とし、衛生環境の改善や健康の維持増進にもつながるなど、世界中の人びとの快適な暮らしを支えながら、環境負荷の低減も実現します。加えて、自社の事業プロセスとバリューチェーン全体において、エネルギー効率の向上や、資源利用の効率化を図っています。さらに、資源の循環利用を促進し、環境や社会に対するインパクトを最大化するため、持続可能かつ事業面での競争力を備えたビジネスモデルの確立に向けた取り組みを進めています。

これらの活動の中核を担う従業員が能力を最大限に発揮できるよう、多様な従業員が活躍するインクルーシブな企業文化の醸成や、柔軟な働き方の推進、従業員エクスペリエンスの向上に注力しています。LIXILは、当社のPurposeの実現の中核となる従業員を原動力とし、引き続き多様なステークホルダーとともに社会と環境に価値のあるインパクトをもたらしていきます。

インパクト戦略委員長メッセージ

Jin Song Montesano

取締役 代表執行役専務
人事・広報・渉外・Impact戦略 担当 兼
Chief People Officer
ジン・ソン・モンテサーノ

社会・環境に対するインパクトの最大化に向けて

LIXILの活動は、常にPurpose(存在意義)を起点にし、すべてのステークホルダーに価値のあるインパクト(良い影響)を生み出すことを目指しています。
当社が推進するESG(環境・社会・ガバナンス)における取り組みは、社外から高い評価を受けており、もはや企業としての責任や義務の域を超えて進化しています。2016年に掲げた3つの優先取り組み分野に変更はありませんが、当社は目指す方向性をより明確にし、さらに強い決意で社会課題の解決に取り組むために、2023年4月に「コーポレート・レスポンシビリティ(CR)戦略」から「インパクト戦略」へ移行しました。これにより、事業活動を通じた財務的成果の追求とともに、より包括的に環境や社会へのインパクトを生み出していきます。また、これまで以上に説明責任と透明性の担保を重視し、ステークホルダーの皆さまとの信頼関係を一層強化していきます。2023年3月期も、3つの優先取り組み分野において大きな進捗がありました。

グローバルな衛生課題の解決

SDGsの目標6「安全な水とトイレを世界中に」などに貢献する当社のソーシャルビジネス「SATO」は10周年を迎え、生産から流通に至る強固なサプライチェーンの構築により、衛生産業の拡大に貢献しています。2023年3月期は、衛生設備の拡充のためには、資金面から支援することも重要であることから、FINISH Mondialとのパートナーシップを開始しました。国際連合児童基金(ユニセフ)とのグローバルパートナーシップ「MAKE A SPLASH!」は、引き続きエチオピア、ケニア、タンザニア、インド、インドネシア、ナイジェリアの重点6ヵ国で精力的に活動しています。また、官民連携の推進を専門に行う新組織「LIXIL Public Partners(LPP)」を新設し、米国の衛生課題に取り組んでいます。2025年までに衛生環境の改善を通して世界で1億人の生活の質を向上させるという野心的な目標に向けて、引き続き全力を尽くしていきます。

水の保全と環境保護

LIXILでは、「環境ビジョン2050」を策定し、かねてより「気候変動対策を通じた緩和と適応」「水の持続可能性を追求」「資源の循環利用を促進」の3つを重点領域として定め、取り組みを強化してきました。2023年3月期には環境戦略を更新し、LIXILが企業責任を果たすだけでなく、新しい価値を創造し、インパクトを最大化することを目指して、事業プロセス、自社バリューチェーン、およびインパクトの拡大の3つのフェーズにおける新たな中期目標を策定しました。
「気候変動対策を通じた緩和と適応」では、事業プロセスにおけるCO2排出量削減に向けた製造技術検証を推進し、昨年は水素燃焼によるアルミ形材のエージング処理の実証実験に成功しました。また、国内外でPPA※1モデルによる太陽光発電システムを導入し、再生可能エネルギー使用比率が25%へと大幅に上昇しました。
「水の持続可能性を追求」では、事業活動における水利用の削減に加え、節水型の水まわり製品の開発に取り組んでいます。水を再利用することで従来比水量4分の1、エネルギー消費3分の1で通常のシャワー体験を実現するGROHE「Everstream」はその一例で、来春の製品化を予定しています。
「資源の循環利用を促進」に向けた製品開発も加速させており、昨年は廃プラスチックと廃木材を融合し、廃棄物処理にかかるCO2排出量の削減に貢献する循環型素材「レビア」を開発しました。

多様性の尊重(D&I)

LIXILは従業員の多様性を活かすインクルーシブな企業文化の醸成に向けて、「2030年までにLIXIL全体にインクルージョンの文化を定着させ、ジェンダー不均衡を是正する」というD&I目標を掲げ、着実に歩みを進めています。2023年3月期、人事部門は従業員のD&Iへの理解と取り組みを深めるため、リーダー向けD&I推進ガイドブックを発行し、進捗確認のための「D&Iダッシュボード」を構築しました。今後は、D&I推進の成果責任を各事業部門に移行し、D&I委員会でその進捗を確認していきます。
また、株式会社ヘラルボニーと協働し、障害※2のあるアーティストの作品をタイル製品「エコカラット」のデザインに起用したアール・ブリュットデザイン・エコカラットの販売を開始。製品の販売からの利益の一部をアーティストに還元することで、誰もが一緒に歩めるインクルーシブな社会の構築に貢献します。

LIXILでは、多様な従業員が強い情熱を持って活躍しています。インクルーシブな文化が生み出す社内の原動力を最大限活かし、インパクトの創出に努めてまいります。

※1 PPA(Power Purchase Agreement):電力購入契約

※2 エコカラットのアール・ブリュットにおける「障害」の表記について :
「障害」という言葉については多様な価値観があり、それぞれの考え方を否定する意図はないことを前提に、本製品においては社会側に障壁があるというヘラルボニーの考え方に賛同し、「障害」という表記で統一しています。

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