人材育成

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考え方

LIXILは、従業員が価値創造の原動力であるという認識のもと、人材育成を重要課題の一つとして捉え、長期的な視点で取り組んでいます。将来のビジネスニーズを踏まえ、グローバル全体で人材を可視化し、後継者の育成に注力しています。

また、すべての従業員がやりがいを持って柔軟に働き活躍できる職場の実現を目指し、「会社が導く戦略的なキャリア」と「従業員が切り拓く自発的なキャリア」の2つの側面からキャリア開発支援に取り組んでいます。

2022年3月期からは、「マネージャー・エフェクティブネス」を重視し、部下の能力を引き出すことができるマネージャー人材の育成にも取り組んでいます。「インクルーシブな環境づくり」「人材育成」「チームのエンパワーメント」を軸に、管理職を対象とした様々なプログラムを順次導入しています。このプログラムの一環として、インクルージョンを企業文化に取り入れるための実践的な事例を掲載したリーダー向けD&I推進ガイドブックを発行したほか、5,000人以上の管理職に向けたワークショップを実施していきます。今後は管理職一人ひとりが、マネージャーとして必要な知識やスキルを把握し、チームのエンゲージメント向上と育成に取り組んでいきます。

LIXILは、D&I戦略の主要テーマであるジェンダー不均衡の是正に向けた目標として「2030年3月期までに取締役および執行役の50%、全世界の管理職の30%を女性とする」を掲げており、役員や管理職として有望な女性従業員の育成も加速させています。

体制

LIXILでは全社で有望な人材を発掘するために、各事業部門のリーダーと執行役がPeople & Organizational Development(POD:人材組織レビュー)を実施し、主要なポジションの後継者、ハイポテンシャル人材、女性人材について議論しています。2023年3月期においては、全社で732人の後継者と156人のハイポテンシャル人材を特定しました。さらに、日本国内では、若手人材の登用を積極的に進めていくため、一部の事業部門においてリスト化の対象範囲を広げ、有望な人材の発掘を行っています。

PODを通じて、性別や国籍、人種、キャリアなど、あらゆる多様性を踏まえた人材育成や人材獲得、インクルーシブな職場環境の整備を進めています。

これにより、緊急時も想定した事業の継続性を担保し、またLIXILの将来に向け戦略的に後継者を選ぶ体制を構築しています。リスト化された後継者には、それぞれ育成計画を作成し、業務アサインメントや異動機会、リーダーシップ研修など、各後継者の強みや課題に基づく育成計画を策定し、実行しています。

従業員イメージ画像
主要ポジション後継者人数
732
ハイポテンシャル人材
156

人材育成の全体像

LIXIL国内の人材育成は、従業員の基礎力向上と専門性強化および経営層や管理職の育成を目的に、教育・研修プログラムを構築しています。教育機関は次の3つから構成され、それぞれ連携しています。

1)基礎力を高めるBasic School

個々のスキルレベル・ステージ・キャリア目標に応じた学習機会の提供を目的に、必要な能力を習得する研修プログラムを整えています。2022年3月期からは、ニーズが高まるデジタルスキルの全社底上げを目的とし、習得したいスキル・レベルに応じた社内オンライントレーニングを実施しています。

2)専門性向上のためのProfessional College

事業部門・コーポレート部門の総合力と専門性の向上を目指し、各部門がそれぞれで専門性を高めるための学習機会を提供しています。

3)会社の次世代を担う人材育成のための選抜型プログラム

「実力主義への転換」「経営層・管理職の多様化」の加速を目指して、実践的なOJTを中心とする選抜型の経営幹部・管理職候補者向け育成プログラム「NEXTプログラム」を実施しています。また、グローバル人材の育成に向けて、従業員が1年間海外事業所で業務に就く「Global Challenge Program」を展開しています。

LIXILの教育体系

LIXILの教育体系

次世代を担う人材の育成「NEXTプログラム」

あらゆる世代の多様な人材が、重要なポジションを担えるような職場環境を実現するため、LIXILは実力主義のもと、次世代のリーダーとなりうる有望な人材を発掘・育成する「NEXTプログラム」を実施しています。

プログラム概要

NEXT Tier1 NEXT Tier2
対象 次世代の経営幹部候補として各部門が推薦した者 次世代の管理職候補として各部門が推薦した者
育成目標 3年を目処に、事業部長・統括部長・部長などに昇格 3年を目処に、グループリーダーなどの管理職に昇格

各部門からの推薦やアセスメントの結果、選抜された対象者に対して、育成責任者との間で調整した個人別の育成計画を基に、難易度の高い課題や業務(ストレッチアサインメント)を割り当てることで、人材育成を加速させています。

また、リーダーに求められる資質・スキルや、イノベーションを実現するために必要な考え方を学ぶイノベーション研修を実施しています。

対象者と育成責任者との1on1ミーティングを定期的に実施するほか、メンタープログラムを提供しており、他者からのアドバイス、フィードバック、サポートを通じた気づきや学びにより成長を促す仕組みを整えています。

その他、CEOや執行役とのラウンドテーブルを実施するなど、経営陣の強いコミットメントのもと推進し、プログラム参加者の積極的な昇格につなげています。

様々な教育プログラムの提供

LIXIL国内では、「変わらないと、LIXIL」の一施策として、「キャリアを変える」を掲げ、あらゆる世代のキャリア開発と育成を支援しています。学習管理システム「LIXIL MANABO! System」およびeラーニングの積極的な運用を図るとともに、一人ひとりのスキルやニーズに応じてプログラムを選べるよう、社内外の教育・研修の情報を一元化したイントラネットサイト「Learning-Hub」を立ち上げ、自ら学びやすい仕組みを強化しました。

2022年3月期には、国内外のマネージャーや経営層または管理職候補者向けにラーニングプラットフォーム「LinkedInラーニング」を導入し、2023年3月期は受講対象を一定の従業員まで広げました。同プログラムでは、専門家による講座、ビデオ、ウェビナーなど17,000以上の豊富なコンテンツを7ヵ国語で提供しています。

グループワークを行っている従業員の様子
NEXTプログラム参加者数
312

Americas地域では、従業員の多種多様なニーズに応える包括的な教育プログラム「LWTA University」を実施しています。集合研修やウェビナー、動画、電子書籍などオンラインのツールを充実させ、リーダーシップやマネジメントなど基礎的なビジネススキルから、コンプライアンス、環境・健康・安全、製品知識など、分野に特化したトレーニングまで多岐にわたるコースを用意しています。

EMENA地域では、オンラインポータルサイト「LIXIL EMENA Learning and Enablement」を通じた包括的な教育プログラムを提供しています。同サイトでは、EMENA地域の製品やシステムに関する学習コンテンツのほか、インストラクターによる講座を受講できる研修サービスが提供されています。2024年3月期には、オンライン学習コンテンツの拡充とアクセシビリティの強化を目指し、新たなオンライン学習管理システムを導入する予定です。

各種研修・教育支援制度の種類と2023年3月期の活用状況

項目 研修概要 参加者数
NEXT Tier1 経営幹部候補を対象とした選抜型人材育成プログラム 68人
NEXT Tier2 管理職候補を対象とした選抜型人材育成プログラム 244人
新人研修 新規入社の従業員を対象とした基礎研修 385人
階層別研修 それぞれ必要とされるスキルや能力開発のための職位・階層ごとの研修 1,333人
管理職研修 管理職昇格者を対象とした研修 131人
部門別研修 開発・生産・営業など職種ごとに必要とされるスキル・能力開発のための部署ごとの研修 51,263人

対象範囲:(株)LIXIL日本国内 直接雇用の従業員(パートタイムを含む)

従業員一人当たり年間合計研修時間・研修費用(2023年3月期)

対象範囲 研修時間 研修費用
日本国内 24.4時間 58,580円
グローバル全体 19.9時間 28,297円

対象範囲:直接雇用の従業員(パートタイムを含む)。ただし、日本国内は(株)LIXILのみ

※研修時間は、オンラインを含む

従業員関連データの範囲および詳細 >

デジタル教育プログラム「デジラク」

LIXIL国内では、従業員のデジタルスキル向上により業務改革を加速させることを目的に、デジタル教育プログラム「デジラク」を実施しています。デジタル部門が事業ニーズを考慮し開発した研修メニューを通じて、生産向上や業務改革に役立つデジタル技術や知識を全従業員に提供しています。

デジラクを通じて、デジタル部門所属ではない人材が各部門やチームにおいてデジタル技術を活用した業務変革を自ら推進していく、「デジタルの民主化」を目指しています。社内のデジタル人材育成は、事業活動のあらゆる場面において生産性の向上、既存事業の変革、新規事業の創出を促すなど等、事業成長の機会につながります。

キャリア開発の支援

従業員一人ひとりがやりがいを持って自律して働くことを目指し、全社で「Career Journey」プロジェクトを展開しており、日本でも人事や各事業部門が主体となり様々なキャリア開発施策を講じています。その一環として、従業員が実現したいキャリアについて年に1回マネージャーと話し合う「キャリア申告制度」や、「Job Posting(社内公募)制度」を通じて、自身の希望に基づくキャリア形成にチャレンジできる仕組みを展開しています。

2022年3月期には、社外での副業を可能とする制度の導入や、業務時間の20%を社内での副業に充てる制度の試行を実施するなど、従業員の主体的なキャリア形成を推進しています。

評価の仕組み

LIXILでは、成長と成果に対して公正に報いることを目的に、各従業員が直属の上司と目標達成に向けた振り返りを実施し、年度末に2人以上の上司による評価を行っています。

国内では、半期の成果に応える業績評価と、人材育成や個人の成長につなげる行動評価の2つにて評価を行っています。全従業員が評価期間の始めに設定した目標に対して、自己評価を行い、評価判定のステップを経て評価結果を決定します。上司は面談を通じて、活動の振り返りと今後の期待を共有することで、従業員の育成を図っています。

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