経済損失の原因と内訳

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経済損失の原因と内訳

不衛生な環境が社会や経済に与えるマイナスの影響は、病原菌を含んだ排泄物による水源や食料の汚染が原因の消耗性疾患や致命的な病気、トイレ不足に関連した病気による生産性の低下、病人の看護にかかる医療費の増加など多岐にわたります。また、金銭的に測定することは難しいものの、用を足すには家から離れた人目につかない場所を見つけなくてはならない女性や女児が暴行を受けるリスクや、学校にはプライバシーを保てるトイレがないために、女児が月経が始まると学校をやめてしまったり、下痢性疾患が原因で子供の栄養状態が悪化するといった問題もあります。

衛生環境の未整備による経済損失の内訳

人的損失
1,228億ドル
下痢性疾患は、人間の排泄物が飲料水や食品の汚染の原因となることから、トイレが不足しているコミュニティーに多い病気です。世界保健機関(WHO)によると、下痢は世界で7番目に多い死因であり、2012年には150万人の命を奪いました。これは結核(2012年の死亡者数90万人)やマラリア(2015年の死亡者数43万8,000人)の死者数を上回っています1

このような衛生環境の不備に起因して、人々が寿命を全うせずに早期に命を落とすことによって、潜在的所得が失われ、家族や国に経済的ダメージを与えています。また、経済的に算出することは難しいものの、その家族の心理的な負荷にもなっています。
生産性の低下
165億ドル
下痢性疾患に関連する人的損失に加え、人間の排泄物に含まれる病原体によって、何百万人もの人々が病気になり、回復するまで仕事や学校を休まざるをえない状態になっています。毎年、何十億時間もの労働時間が失われており、世界経済にも大きな影響を与えています。
医療費
566億ドル
衛生環境の不備に伴う病気の治療費は、国や自治体が負担する場合や、個人が保険で支払ったり、自己負担する場合がありますが、医療費がかかることで資金を他の支出や投資にまわすことができなくなります。
トイレの不足
270億ドル
多くの国では人口に対して家にトイレがない人の占める割合が高く、そうした人々は公衆トイレに並んだり、野外で排泄する場所を探さなくてはなりません。トイレに並ぶ、あるいはプライバシーを保てる場所を探すにしても、経済性の追求に費やせるはずの時間が奪われるため、経済にマイナスの影響を与えることになります。

1 世界保健機関(WHO)ウェブサイト www.who.int/mediacentre/factsheets/fs310/en/

早期死亡が、世界の経済損失の最も大きな要因に

トイレの不備がもたらす経済損失の約55%は、早期死亡によるものです。また、衛生的なトイレがないことによって病気になり、その治療にかかった費用が経済損失の4分の1を占めます。残りは、こうした病気による生産性の低下や、用を足す場所を探すのに時間を費やすことで生じた経済損失となります。

早期死亡が、世界の経済損失の最も大きな要因に

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