グローバルな衛生課題の解決

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LIXILグループは、人びと、特に女性や女児が、安全な衛生施設を利用できるようにします。同時に子どもにとって危険な病気感染を防ぎます。

背景

世界では現在でも3人に1人、約24億人の人びとが安全で衛生的なトイレのない生活を送り、そのうち9億5千万人が日常的に屋外で排泄を行っています。また、不衛生な水や環境に起因する下痢性疾患で、毎日約800人もの5歳未満の子どもたちが命を落としています。
特に女性にとって、安全で衛生的なトイレがないことは様々な深刻な問題につながっています。屋外での排泄は人間としての尊厳にかかわる問題だけではなく、自宅や学校から離れた人目につかぬ場所まで用を足しに行く途中でいやがらせや暴行を受ける危険をもはらんでいるのです。学校に清潔なトイレがないことは、思春期を迎えた女子児童たちが通学をあきらめざるを得ない大きな要因となっています。
こうした衛生問題の危機的状況は全ての国や地域に悪影響を及ぼし、成長と発展の可能性を妨げているのです。LIXILの依頼に基づきオクスフォード・エコノミクスが実施した調査によると、劣悪な衛生環境が世界に与えた経済損失は2015年で2億2,300万米ドル(約22兆円、1米ドル=約100円で換算)にのぼり、2010年と比較すると20パーセント以上増加しています。

LIXILの取り組み

LIXILは、2020年までに1億人の人びとの衛生環境を改善することを目標に掲げています。これを達成するため、私たちは自社のリソースを最大限活用することに加え、ユニセフやJICA(国際協力事業機構)、国際NGOであるウォーターエイドなどと協働して官民協力の先頭に立っています。さらにLIXIL は、衛生問題の持続的かつ拡張可能な解決を目指す世界的規模の団体、「Toilet Board Coalition」の一員でもあります。

世界の衛生問題は極めて多岐にわたり、かつ複雑です。こうした状況に対処するため、LIXILでは各市場のインフラ、所得水準、環境的制約などの特性やニーズに合わせた複数のソリューションを提供しています。その主要な解決策が、すでに事業化している「SATO(Safe Toilet=安全なトイレ)」ブランドの製品、そして現在実証試験中の「マイクロフラッシュトイレシステム」、「グリーントイレシステム」、「ポータブルトイレシステム」です。これらのソリューションは、より豊かで快適な暮らしを実現したいというLIXILの熱意から生まれました。

LIXILでは「ソーシャルトイレット部」を新設し、革新的な製品や持続可能なビジネスを通して世界の衛生問題を解決するという目標の実現に向けた体制を強化しています。

Time for Global Action LIXIL編(26分)

SATO
屋外排泄と悪臭及び病気の感染の防止

SATO SOCIAL TOILET屋外や汲み取り式トイレなどでの排泄により、悪臭や伝染病の危険にさらされている人びとが大勢います。この課題に取り組むために、LIXILが開発したのが開発途上国向けの簡易式トイレ「SATO」(Safe Toilet=安全なトイレ)。初代のモデルはビル&メリンダ・ゲイツ財団からの資金助成を受けて開発がすすめられ、2013年に初めてバングラデシュで販売が開始されました。
SATOは1回の洗浄に必要な水の量が500ミリリットル未満で、排泄物を流すとカウンターウエイト式の弁が閉まり、悪臭や病原菌を媒介するハエなどの虫を防ぐ仕組みになっています。子どもでも安全に使え、簡単に洗浄できる形状で極めて低価格で購入でき、地域によって異なるニーズや生活様式に適応するよう作られています。これまで世界中に120万台以上が設置され、600万人の衛生環境が改善されました。(2017年3月末時点)

「SATO」の仕組み

MAKE SELL USEより多くの人の衛生環境をより継続的に改善するために、SATOは「現地に根差した事業」というアプローチをとっています。
現地で生産することで低価格に抑えることができ、より多くの人にSATOを提供することが可能になります。また、現地のパートナーが販売を行うことにより、雇用を創出し、事業を継続的に定着させることができます。作る(MAKE)、売る(SELL)、そして使う(USE)というサイクルを現地でうまく回し続けることで、各地域が自立的かつ継続的に、衛生環境を改善することが可能になるのです。

SATOが使用されている国

SATOが使用されている国

マイクロフラッシュトイレシステム
都市部における節水支援

「マイクロフラッシュトイレシステム」は排泄物の運搬に下水を再利用するため、従来型のトイレと比べて1回の洗浄水量がずっと少なくてすみ、貴重な水資源の消費を大幅に抑制できるシステムです。とりわけ人口増加が著しい都市部では、水の供給や衛生環境の改善が間に合わないため、こうした課題に対処するために開発されました。
戸建てと集合住宅のどちらにも対応でき、下水が詰まらないよう処理する構造を採用。また、洋風便器を採用しているため、掃除やメンテナンスが簡単で快適に使用することができます。さらに、開閉式の弁が便器の下に閉じた状態で配置されており、そこに水が溜まっているため、悪臭を防ぐこともできます。排水管と下水システムには勾配が設けられ、少ない水でも排泄物が流れやすくなる仕組みになっています。

「マイクロフラッシュトイレシステム」の仕組み

グリーントイレシステム
し尿を安全に処理し、再資源化

「グリーントイレシステム」は、水を使わず排泄物を安全に処理し、肥料として再資源化します。簡単な設置で、農業従事者に新たな価値も提供できるビジネスモデルです。排泄物は尿と便に分離されて別のタンクに貯留された後、処理施設に運搬されます。尿と便が分離されていることでトイレの悪臭は抑えられ、さらに堆肥化を効率的に行うことができます。
グリーントイレシステムは上下水道が整備されていない地域や、集落があちこち点在しているため大規模な下水道を設置できない地域を対象に開発が進められています。排泄物の搬送に水を使わないため、従来の下水道システムが不要となり、下水処理施設や浄化槽も必要ありません。その上、地下水やその他の資源を汚染することもありません。また、排泄物の回収や処理場では雇用も生まれ、経済的なインセンティブにより、排泄物の投棄を防ぐこともできます。

「グリーントイレシステム」の仕組み

ポータブルトイレシステム
排泄物を衛生的かつ効率的に回収

「ポータブルトイレシステム」は、コンパクトかつ持ち運び可能なトイレと、各家庭からの排泄物を回収する収集ステーションからなる仕組みです。このトイレは屋内での使用を想定しており、工事を伴わず簡単に各家庭に設置でき、臭いが広がらないよう設計されています。また、トイレには、排泄物を一時的に貯留する取り外し可能な容器(カートリッジ)が内蔵されており、このカートリッジは各家庭から収集ステーションに運搬され、排泄物の回収とカートリッジの洗浄が行われます。集められた排泄物は現地の回収業者が処理施設へと運搬し、処理されます。
開発途上国の多くの貧困層が暮らすスラム地域では、特に下水道インフラの整備や汲み取り式トイレの設置が難しく、衛生的なトイレが不足しています。これらの地域を対象に、コンパクトで家庭内に簡単に設置可能なトイレと、排泄物を衛生的かつ効率的に回収するシステムが導入できるよう、「ポータブルトイレシステム」の開発・実証試験を進めています。

「ポータブルトイレシステム」の仕組み

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